ビジネスとグレーのフクザツな関係~当たり前だと思っていた色に隠された心理とは~

ビジネスマンのグレー神話

ビジネスマンが多用する色の中にグレーがあります。灰色ですね。どうしてみんな社会人になるとダークスーツを身につけるのだろうと思ったことはありませんか?

「だって、みんなそうじゃない? 暗黙ルールってやつでしょ?」と思うかもしれません。もしかしたらビジネスマナーの本に無難な色として書かれていたのかもしれませんし、学校の先生や親に勧められた人もいるかもしれません。色なんて数え切れないほどあるのに、なぜビジネスとなるとグレーが圧倒的に増えるのでしょうか。今回は、そんなグレーについて一緒に学んでいきましょう。

何と言っても、グレーは無難な色なのです。グレーは相手に穏やかで控えめな感じを与えます。相手に威圧感を与えない色とも言えるかもしれません。組織に従順に馴染みますと言うイメージを与えたい時に使う色でもあります。一方でグレーは知性や能力の高さに自信がある人が使う傾向もあるそうです。冷静でスタイリッシュなイメージもあります。

つまりこれは「私は無難な人間ですよ」「私はあなたにとっての敵ではありません」という非言語メッセージなのです。これは見方を変えると、自己主張が特になく、ことなかれ主義とも言えるのです。まさに「グレーゾーン」!

場合によっては、つまらない、向上心の無い人間、自分の知的さはアピールしたいけど、責任を取るような事はしたくないタイプと思われてしまう可能性もあるので注意が必要です。

言われたことだけを黙って行う人材が欲しいという会社や職種ならグレーはとても有利な色です。みんなが決まったことを黙ってビシッとこなすことが効率を上げる場合もありますものね。絶対的なパワーを持つブレインが存在する会社などでは、自己主張しないで冷静に業務遂行する人材の方が良いと思っているかもしれません。

一方、そもそも会社というのは発展を望んでいますので常に上昇志向でもあります。面接対策などでは自分の強みや将来のヴィジョンをできるだけ明確にして会社にどのように貢献できるか、そして仕事を通して自分をどのように成長させていきたいかをアピールする事が重要とされているわけですが、よくよく考えると、それってグレーの心理ではないのです。会社は反抗的すぎる社員を嫌がりますが、一方で「自分色」を会社は見せて欲しいとも思っているのです。ものすごく複雑な色ですよね。

グレーには、混乱や不安、自分への責任にのしかかってくる圧力から逃れたいという意味合いもあります。自分が入ろうとしている組織に対する不安、そして組織への配慮などが入り混じった心理が露骨に出ている色でもあるのです。面接を例に挙げましたが、お客さんとのビジネス交渉などでも似たような事が言えますよね。

そこで重要なのですが、グレーじゃない服を着て…と、簡単にはいかないので、無難で従順でありながら、「自分色」をしっかり持っているというアピールをするためにも、ファッションや持ち物にそれとなく自分らしい色をこっそり取り入れてあげることであなたの個性をアピールして下さいね。