幸と不幸の極性の法則。『ザ・メタ・シークレット』メル・ギル氏インタビュー PART.2

相手の正しさを許可してあげることで
良くなる人間関係もある

人間には7つの必要としているニーズがあって、その一つが、「自分は正しい」ということです。そのニーズがあることによって、夫婦間、親子間で、「自分が正しくて、あなたが間違っている」と主張して、関係が終わってしまったケースも多々あるでしょう。けれども、相手が正しいということを許可してあげることによって、その人間関係は簡単に保たれる場合もあるわけですね。

次に現れる相手とのリレーションシップにおいてアドバイスさせていただけるなら、たまに相手の方が正しいと認め、許すことですね。自分が正しいと分かっていても良いのですが、そのチャンスを相手に与えるというのが大事だと思います。そうすることによって、人間関係が続いたり、相手が戻ってくることもあるでしょう。

 

頭の中のストーリーを変えると現実が変わる

努力が実る人と実らない人の違いは、愛が中心であるかどうか。「私はこんなに努力しているのに、まだ不幸せだし、欲しいものを得られていない」という思いがあると思うのですが、ネガティブな考え方、治したい習慣は、基本的に21日間それを辞めて、新しいことにトライし続けない限り壊れていかないでしょう。けれども継続できない状態なのかなと思います。

誰もが頭の中で自分に伝えているストーリー、物語が常にあると思うのですが、それらを変えていかないと自分は変わっていきません。たとえば「なぜ彼女は結婚できたのに、私はできないのとか、仕事が他の人は上手くいっているのになんで?」というストーリーが常に巡っていると思うのですが、「私って、こんなに幸せなの!」という表現が出てこない限り、現実には投影されないでしょう。

 

一緒にいたいと思う人に、まずはあなたがなりましょう

次の恋人は“こうあるべき”という希望のリストを挙げる時に、「頭が良い人」「親切な人」「お金持ち」などの条件があると思いますが、そこに「幸せな人」という項目はありますか?

リスト通りの男性が現れた時に、男性にも同じようなリストがあると思うのですが、「とても惨めな気持ちでいる人」という項目はたぶんないと思うのですね。私が常に言っているのは、リストに当てはまる「こんな人と一緒にいたい」と思うような人に、まず自分がなりなさいということですね。

他の人との関係において、自分をきちんと見つめることも必要です。たとえば、自分が不幸だと思っている時に、他にも不幸な女性がいて、彼女をヘルプしてあげたとします。それによって自分自身も救われているのですね。そして、二つの結果が出てくると思うのです。一つは助けてもらった女性があなたに感謝して、将来何かあった時に必ずお手伝いしよう、助けてあげようという気持ちになること。そこでは、あなたは与える人であり、自己中心でなく人のために役に立とうとしている人として残るのです。同時に何が起きるかというと、自分にも力があるのではないか、自分は不幸だと思っていたけれど、そこまでいっていないと理解できることです。

極性の法則の一部なのですが、幸・不幸にはレベルがあるだけです。自分が10年間乗り続けた自動車に対して、もっと古いモーターサイクルを見ると「あれよりはマシだ」と思い、逆に新品のロールスロイスを見るとガッカリしてしまう。ただそれだけのレベルの話なのです。今、持っているもの、今の自分に感謝することですね。その感謝が、自然に楽観的な気持ちにつながっていきます。

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【Profile】
メル・ギル
作家、映画監督、心理セラピスト、講演家。著者。臨死体験を元に、さまざまなマスターたちと出会い、独自の人生探求を開始。雑誌「Business Times」と「Sentinel」においてアジア部門におけるベストモチベーションスピーカーとして認められる。世界でマーケティングを展開し、新たな注目を浴びている。

『ザ・メタ・シークレット』(角川書店)1890円

メタ・シークレット公式サイト: http://www.metasecret.jp/

Photo:Kazuki Maeda