シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.24~「女性に骨粗しょう症が増えている」

カルシウム神話の嘘

人間の骨は、コラーゲンをはじめとする骨基質タンパク質とカルシウム・マグネシウム・リンなどのミネラルから形成されています。骨は硬いというイメージがあり、変化しないと思われがちですが、古い骨から新しい骨へと常に新陳代謝が行われています。

骨の量が最も多くなる20~30代を過ぎると、加齢と共に、またホルモン分泌の変化によって骨の量は減少していきます。特に閉経後の女性は、骨の量の維持に働いてきた女性ホルモンが減少するため、それが元で骨粗鬆症になる場合もあります。骨粗鬆症は、この骨の量、主にカルシウムの量の減少によって腰痛や骨折、背骨の変形を引き起こす病気のことを指します。

フランスの科学者ルネ・カントンは「海から進化した地球上の生命体は、内に体液という名の海水をたたえ、その中に体細胞という名の魚を飼っている養魚層である」と唱えています。人間は太古の昔、弱アルカリ性の海から生まれ、進化してきた生き物であり、生きていく上で血液や体液は弱アルカリに保たなければならないようになっています。これにはミネラルが不可欠です。

西洋医学では、カルシウムが足りないからとカルシウムを摂るよう、対処療法として牛乳やカルシウム剤をすすめていますが、牛乳やカルシウム剤を飲んで、骨粗鬆症が改善・完治されたという話は未だに聞いたことがありません。私の考えは、単糖類(果物、ハチミツ、チョコレート等)・二糖類(砂糖、牛乳等)、動物性食品、化学調味料・食品添加物を過剰に摂取した場合、体内のミネラルが不足するためより多くのミネラルを補給しようと、骨からミネラル(カルシウム)を削って中和させる。だから、偏った食生活を続けていくと骨が軽石のようにスカスカになってしまい、骨折しやすい身体になる場合があるということです。確かに、牛乳にはカルシウムが含まれていますが、本来牛乳は子牛が飲むべきものであり、人間の身体の構造に合った食品とはいえないと私は考えます。

骨を丈夫にする食生活

以前、火葬場に勤めている人から、明治生まれの人のお骨はずっしりとしているが、大正生まれ、昭和生まれの順に軽くなっていくと聞いたことがありましたが、これも明治の終わりごろから牛肉や砂糖が食べられるようになり、その後大正、昭和時代へと食の欧米化が進んでいったのも原因の一つなのでしょう。

高齢者は、骨折すると寝たきりになる確率が高くなります。また、女性は、更年期を迎えるあたりから骨の量が減る傾向にあります。50才以上の女性では、全体の約4人に1人が骨粗鬆症といわれていますが、予備軍を入れると3人に1人が該当するのではないかと私は推測します。

骨粗鬆症になると、転んだだけでも骨折することがあります。中には、背骨がつぶれる圧迫骨折もいるが、自覚症状がないという人もいるそうです。腰や背骨が重く感じたり、違和感を覚えたら身長を測ってみるといいです。若い時よりも身長が1.5cm以上低くなっていた場合、圧迫骨折を疑った方がいいと思います。

これらは、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量の減少と関係があります。これに伴って、代謝のバランスも崩れ始めます。なぜバランスが崩れ始めるかは、欧米型の食生活や人工食品、ホルモンを使った肉類や牛乳の摂り過ぎも関係していると私は考えます。

骨粗鬆症は治りづらいので、なる前に日頃の食事を見直してみることです。動物性食品、化学調味料・食品添加物、単糖類(果物・ハチミツ・チョコレート等)や二糖類(砂糖・牛乳等)の摂りすぎに注意。缶やペットボトル飲料にも気をつけるべきです。たとえお茶でも、ペットボトル飲料には食品添加物が含まれているからです。カルシウムを摂るなら、牛乳やサプリメントからではなく、海藻や根菜(大根・人参・ゴボウ・レンコン)を毎日の食事に取り入れるようにします。

【津軽海峡のメカブ】

メカブは、ワカメの根元部分の厚くひだ状に折れ重なっているもので、ワカメよりも水溶性食物繊維とミネラルが豊富に含まれています。メカブの収穫時期は、春から夏にかけてです。先日青森・下北から仕入れた肉厚なメカブは、芯の部分もおいしく食べることができます。

メカブの調理法 http://ameblo.jp/szato/entry-11518484157.html
ミネラル豊富なメカブ汁レシピ http://ameblo.jp/szato/entry-10642466224.html