『心理セラピスト』が教える!『うつ病』~心の風邪を考える~

『心理セラピスト』が教える!『うつ病』~心の風邪を考える~

じつはよくわからない「うつ病」

うつ病。聞いた事が無いという人が多いくらい身近になってしまった、心の病。あなたは、このうつ病に対してどういう認識をしているでしょうか。かつては『怠け病』と呼ばれていたこの病気、僕は本当のところ何なのだろうと考えることが度々あります。というのも、定義が正直なところよくわかりません。

殆どの場合が『DSM-Ⅳ』という本の基準で定義しているのだと思うのですが、これも疑わしいという気がしてなりません。基本的に、「うつっぽい」というこの気分。沈みがちになってしまう状態が長期的に続く人のことを指していますが、あまりにも説が多すぎるのです。

生物学的仮説、脳内伝達物質の異常、もしくは脳の損傷。遺伝子レベルがどうとか。もっともらしく聞こえますが、決定的なものが無いように思いませんか。だとすると、『心の病』ではなくて『脳の障害』ですよね。かといって、脳の障害ならば手術して治すしかないのかというと、うつ病を治す手術って聞いた事が無いですよね。では薬物治療で治せるのかという問題ですが、これもどう思いますか。薬物でうつが治ったという人を残念ながら僕は知らないのです。薬を飲んだ副作用で、さらに別の薬が増えたりした……という話なら聞いた事がありますが、結局は解決につながるアプローチとは思えないのです。脳そのものに問題があるのであれば、カウンセリングは意味は無いということだろうか。「がんばれ」というと脳が過剰反応するのだろうか。などなど、疑問がたくさん浮かんでくるのです。

原因はどこにある?

「私、精神的になんだか無気力で眠れなくて身体を動かすのが億劫で……」と患者さんが相談に来て、「それは脳の病気ですね」と問診で決められるとしたら、とても恐ろしいと思いませんか。何故なら、脳の具体的な異常個所がわからないままレッテルを貼られてしまうのですから。

栄養学的仮説というものもあります。この説を前提に考えると、栄養が問題なわけなので、やはり薬物治療やカウンセリングで解決できる問題なのかという疑問が浮かんできますよね。確かに栄養が心身の健康バランスを大きく影響する事は間違いない事実ですが、必ずしもこれだけが原因であるとすれば、実は精神科や心療内科の領域ではない気もします。

心理学的仮説というものもあり、おそらくこの辺が、みなさんがイメージするものだと思うのですが、だとすると、それを薬物でコントロールするものなのか、ということが気になってしまうのです。

僕は別にうつ病の存在を否定しているわけではありません。理由なくして心が病むとは思いづらいので、そう考えると、少なからず環境的要因が大きな影響を与えていると思うのです。しかし、脳のせいにしたり、精神的な問題のせいにしたりするという現実を考えると、ものすごく極端な意見ではあると思うのですが、今の社会制度や文化(環境)を変えると都合が悪いから、うつ病になる原因を別のところに設定しておこうというと思っている人物が裏にいるのではないか、という非現実的な想像さえしたくなってしまいます。あなたは、どう思いますか?