人生最高の音色を聴かせよう『25年目の弦楽四重奏』

愛、裏切り、美しい旋律。ベートーヴェンの名曲「弦楽四重奏曲第14番」にのせて奏でる、きらめく宝石のような至福のカルテット「25年目の弦楽四重奏」が7月6日(土)より、角川シネマ有楽町他にて全国順次公開。

人生の迷いやズレをどう軌道修正すれば良いのか?

不出世の天才作曲家ベートーヴェンが、亡くなる半年前に完成させた「弦楽四重奏曲第14番」。ベートーヴェンは、全7楽章を「アタッカ」で、つまり途切れることなく演奏すべきだと言い遺した。だが、その言葉に従えば、演奏の途中で楽器をチューニングすることは不可能。そう、これは狂っていく音程の中で演奏するという、画期的な名曲なのだ。そんなベートーヴェンの傑作に、深くインスパイアされた映画が本作だ。歪んでいく音色のなかに、調和を探し続けなければならない演奏に、その緊迫感と切実さは、観る者の心を圧倒する。

チェリストの突然の引退宣言に狂い始めた完璧なハーモニー

物語は、チェリストの突然の引退宣言から始まる。結成25周年を迎えた世界的に有名な弦楽四重奏団「フーガ」が、記念の年の演奏会のリハーサルを始めたその時、チェリストが不治の病を宣告されたのだ。動揺したメンバーは、自分たちでさえ予期しなかった言動に走り始める。第一を弾きたいと言い出す第二ヴァイオリン、それを止めようとするヴィオラの妻。夫婦の亀裂が招いた、娘の衝撃的ともいえる犯行、そしてチェリストの秘めた決意。はたして、演奏会の幕は上がるのか?

今からでも遅くない。
あなたも人生最高の音色を奏でてみませんか?

この映画の登場人物たちの置かれている状況は、必ずしも幸せとは言えない。夫婦の危機。突然の発病。禁断の恋。複雑に絡み合う人間関係の中で、もがき苦しんでいる。しかし、苦しみながらも、芸術を通して葛藤を昇華させ、成長していく。本作では苦境を乗り越えようとする力強い人間の姿、芸術の役割が力強く描かれている。音楽ファンだけではなく、日常生活で困難な壁にぶつかったことのある人すべてに、希望の光を示す映画だ。

公式HP
http://25years-gengaku.jp/