チョウチョが見た夢が僕なのか、僕が見た夢がチョウチョなのか……「胡蝶の夢」

チョウチョが見た夢が僕なのか、僕が見た夢がチョウチョなのか……「胡蝶の夢」

昔、中国に荘子(通称ソウちゃん)という青年がいました。
ポカポカした春うららのある日、ソウちゃんはウトウトと昼寝をしました。夢の中で、ソウちゃんはモンシロチョウになっていました。

ソウちゃん
「うわ~、とーっても気持ち良い~。ヒラヒラと飛ぶのって最高だよね~。おや、あそこに花のミツがある!よし!ちょっと行って、チューチューしてみよう!」

ソウちゃんは、お花畑に辿り着きました。ソウちゃん「おいおい、花だらけじゃないか!ご馳走がいっぱい!おー、これも甘い!な、なんと、このミツはさらに甘い!!」ソウちゃんはヒラヒラ花から花へと楽しみました。すると、お花畑の向こうからミツバチハチが現れました。

ソウちゃん
「ハチの野郎め! また、僕のミツを荒らしに来やがったな!でも、あいつはお尻に針を持っているから、何も言えないけどね」ソウちゃんは、無理矢理つくり上げた満面の笑みで、ハチにお花を譲りました。でも、いつもであればそのまま飛び去るハチが、今日はなぜか近づいてきました。

ソウちゃん
「ちょ、ちょちょちょ!!来るな、来るな、なんだ、なんだ? もしかしてチクッてやられるのかな? さっきのつくり笑い、ちょっと嘘っぽかったかな? ヤバい、来た来たー!!!」
「っは!!全て夢だったのか!!」。ソウちゃんは、縁側で目を覚ました。すると、先程までの夢のハッチが、あまりにもリアルだったのでソウちゃんはこう思いました。

果たして、僕が人間として、チョウチョの夢を見たのか、チョウチョが見た夢が、今この世界なのか、全く判断できない!ソウちゃんは、「ソウちゃん」なんて愛称で呼ばれていますが、実は当時の中国で一番の理論派です。

ソウちゃん
「だって、証明のしようが無い。『今、この人間の姿の世界』を、チョウチョが夢見ているのか、『さっきまでのチョウチョの世界』を、この人間が夢見たのか。どっちが正しいのかなんて、誰にも証明できない!」
当時の中国は、百家争鳴の時代でみんな議論好きです。中途半端に頭が良い人たちが集まって来ました。

モウシ
「おいおい、お前大丈夫か? チョウチョが、『お前』の夢を見ているだって?みんな、こいつのこと笑ってやれ。きっと、一級品のギャグだ!」

ソウちゃん
「じゃあ、問うけれど、君は小説を読んでいてその主人公に感情移入するだろう。その時に、どうして小説がフェイクで、この世界がリアルだと判断できる?」

モウシ
「はぁ?小説よりも、この、今目の前のこの現実世界の方が、よりリアリティがあるからに決まってるじゃないか。小説では、音も聞こえないし花は香らない。でも、ここではそれらもリアルに感じられる」

ソウちゃん
「そう、何かと何かを比べてよりリアルな方を、“現実”だと判断するってことだよね。小説よりも、この現実世界の方がリアルだ。じゃあ、テレビと小説を比べたらどうなる?」

モウシ
「はぁ?百家争鳴の時代とか言っといて、テレビだと??よし、とりあえず乗ろう、その話に。テレビが今の時代にあるとしよう、特別だぞ?特別サービスだぞ?」

ソウちゃん
「ありがとう。こう考えてごらん。テレビの中の俳優が、テレビの中で小説を読んだ。その俳優は、あまりにも小説が面白いものだから、小説の世界こそ、リアルだと思い込んじゃった。でも、女優がやって来てビンタしたから、『あ!小説がリアル世界じゃ無くて、ここがリアル世界だ!僕は浮気がばれるのが怖くて、小説に逃げ込んでいたんだ。目が覚めちゃった』って俳優は言う。テレビの中の俳優は、小説よりもテレビの中の方がリアルだから小説から目覚めた。でも、まだテレビの中の俳優だぞ?まだ気付けていないぞ、自分がテレビの中にいるって」

モウシ
「おい、おい、おい!確かに、ヤバいね!その思想!!ということは、今、この僕というか、この世界も本当は、誰かの夢の可能性があるのか?」

ソウちゃん
「そうなんだ。何かと比べて、よりリアリティがある方が本物だ。でも、いまのこの世界よりも本物っぽい世界があったとしても、この世界に居る限り僕たちは気付けない!!実際、夢の世界でミツバチハッチは、マジで怖かった!!あれが、夢やフェイクだなんて思えない。“僕がチョウチョの夢を見たのか”“チョウチョが僕の夢を見ているのか”誰にも正解なんて言えまい」

『胡蝶の夢』という荘子が唱えた思想です。
荘子は言う。
夢の中で、「自分が人間だった」という記憶なんて無かったって。初めからもうチョウチョであり、その事実を疑えなかったと。それって、今の僕たちと全く同じじゃないかって。今僕は「自分が人間以外だった」という記憶なんてありません。『初めから人間であるいうこと』を疑えません。記憶があるし。でも、チョウチョだったその夢でも、それは全く同じだったのです。記憶はありました。サナギの記憶が、アオムシの記憶が……。

『記憶があるから』は、全然なんの証拠にもなりません。

チョウチョが見た夢が、僕なのか???
僕が見た夢が、チョウチョなのか???

あなたは、「今、夢を見ている」という可能性を否定できますか?今、何者かが見ている夢が、あなたかもしれない。実際、どうやっても証明できないのです。これが夢じゃないなんて。

荘子
「人生とは、何者かが見ている夢かもしれないじゃないか!どうして、“記憶”ぐらいでそれを否定できる?“記憶”なんて、ただのメモリーです。ねつ造することもできます。僕は、僕が昨日この世界に居たとは、絶対に証明できません。僕は、今ここにいる、それ以外に何一つとして、言及できない」

覚者は言います。

みつろう
「どうして、この現実世界が夢だと言えるのですか?」
上江洲先生
「現実世界なんかよりも、もっともっとリアルな世界を知ってしまったからです」。世界中の誰が何と言おうと、その世界を知っている人は言うでしょうね。“人生は、何者かが見ている夢である”って。

チョウチョが見た夢が、あなたなの?
あなたがチョウチョの夢を見ていたの?
テレビの中で、小説から覚めた役者は、まだテレビの外には覚めてないよ?
うーん、現実が、なんだかポロポロと崩れそうで怖いね。

次回は、みつろうが思う『胡蝶の夢とパラレルワールド』について。こうご期待! いや、あなたが明日、「あなた」であるならね……。

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以上は、ブログ「笑えるスピリチュアル」からの転載です
笑えるスピリチュアル
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