「蒼月紫野の石と幸せに暮らすHappyLife」パワーストーン生活をステップアップ!PART.24

アメジストの瞑想

ハインリヒは寝室に置いてもらっていたので、なんとはなしにマスターを待っていました。十三なら色々な事を教えてもらえるから、と考え、ふとハインリヒは自分の事も考えました。

“僕はサブリーダーになったからしっかりしないといけないなぁ……”
“あ、ハインリヒ!”
ハインリヒが振り向くとマスターがたっていました。
“あのね、今日ハインリヒと瞑想してもいい?”
ハインリヒは嬉しくなりました。
“ええ、勿論構いませんよマスター”

しばらく準備をしたあとで石初心者さんはハインリヒの中――アメジストの中に入る瞑想をしました。
「あれ、また町並みが違ってる……」
石の中の街がまた変化していました。まずはハインリヒの家を探さないといけません。どこかしら、と探しているうちにたどり着いたのは図書館でした。
「こんなところに図書館ができてたのね」

図書館の中を覗いてみると、色々な本がぎっしりと並んでいます。でも今はのんびりしている暇はありません。ハインリヒの家を探しにドアをあけたら、また景色が違います。
「迷うな……うーん」
ハインリヒを呼べばすぐ来てくれるとは思いましたが、自力でたどり着かなければ、と彼女はまた町並みを眺めて家を探すことにしました。

一方ハインリヒは展望台から石初心者さんを捜していました。前よりもハインリヒが成長した分だけ街が変化していたので、石初心者さんが迷うだろうと考えていたからです。
「図書館から出たのか、ちょっと急いで行ってみよう」
自分の体の中ですからハインリヒは意図するだけでその場所に飛んでいけます。そして走っている石初心者さんを見つけました。

「マスター!」
「あっハインリヒ!」
会えて良かったととても喜ぶ石初心者さんの顔をみて、ハインリヒは嬉しくなりました。自分も彼女にあえると嬉しい。今までマスターを持たなかったハインリヒはそう感じました。十三はマスターがいたことがあったらしいので、何かアドバイスがもらえるかもしれないと思い、予定を手帳に書き込みます。

「マスター、ハーブティーでも飲みませんか」
「うんうん!ハインリヒの淹れてくれる紅茶は美味しいもの、飲みたいわ」

じんわりとこみ上げてくる嬉しさ。ハインリヒは率直な意見を聞いて、素直な人間とはこういう感じなのだなとしっかり頭にいれました。石の精霊の本当の姿に近いハインリヒの人間風のボディをきちんと見れる人は少ないですし、石初心者さんが見れるとは考えてもいませんでした。偶然とは言え、目の素養のあるマスターなので楽しくなりました。そして石と会話する力も持っているので、教え甲斐があります。

「ではマスター、こちらです」
手を差し出すハインリヒ。その手を取って、石初心者さんは笑顔で頷きました。

石の中での瞑想の前に二人はお茶にするようです。続きはまた今度。

 

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