美しいく冷酷な殺人犯が再び被害者の前に現れる~パク・シフ主演 『殺人の告白』

『殺人の追憶』の犯人がベストセラー作家になったら?

1986年から1991年まで京畿道華城市で10人の女性が殺害された華城連続殺人事件。03年にポン・ジュノ監督が発表した『殺人の追憶』のモチーフとなったことでも知られるこの事件は06年に公訴時効となった。『殺人の告白』は、同作を見たチョン・ビョンギル監督が「公訴時効となった後で犯人が姿を現したらどうなるだろう?」と考えたことから出発したスリラー。

法に許され時代の寵児となった連続殺人犯、イ・ドゥソク

 

 

連続殺人犯にしてベストセラー作家となるイ・ドゥソクを演じたのはパク・シフ。涼やかなルックスに微笑を浮かべながら自ら犯した罪についての反省を語るドゥソクはまさに“美し過ぎる殺人犯”。パリッと決めたスーツ姿だけでなく、水着姿やバスローブ姿なども披露し、激しいアクションにも挑戦している。そんな彼を15年にわたって憎み続けてきた刑事チェ・ヒョング役は『黒く濁る村』のチョン・ジェヨン。時効が過ぎてからも、何かに取り憑かれたかのように粘り強く事件を追い続ける男を人間臭く演じている。そのほか、行方不明の娘の行方を探すハン・ジス役でドラマ『太陽を抱く月』のキム・ヨンエ、母を殺された恨みを晴らそうとするガンスク役で「私たちの生涯最高の瞬間」のチョ・ウンジも出演。

1990年、女性ばかりを狙う連続殺人事件が発生。捜査を担当していた刑事チェ・ヒョングは犯人を逮捕寸前まで追いつめるが取り逃がし、顔に深い傷を負う。2005年の冬。連続殺人事件が公訴時効を迎えたことを報じるニュースを見ていたヒョングは「聞きたいことがあるから、生きていろ」とつぶやく。

 

さらに2年後。ヒョングは同僚グァンスからの電話で、連続殺人事件の真犯人だと主張する男イ・ドゥソクが自叙伝『私が殺人犯だ』を出版したと知らされる。華々しい記者会見を開き、身体の中に残る銃弾が、事件当時にヒョングが撃ったものだと説明するドゥソク。本はベストセラーとなり、ドゥソクも一躍、時の人としてもてはやされるようになる。その後、事件の詳細が書かれた内容に衝撃を受けるヒョングと同僚たちの前に姿を現したドゥソクは彼らを挑発するかのように「久しぶりですね」と、笑顔を見せる。

 

法的には無罪となった犯人が、自分の犯した殺人事件について詳細に記した本を出版。その衝撃的な内容と、俳優のように美しいルックスが相まって、一躍、人気者になった彼と、犯人を探し続けてきた刑事や恨みを抱く遺族たちとの駆け引きが始まる。驚きの結末へとつながっていくスピーディな展開から目が離せない。

『殺人の告白』
6月1日(土)、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
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キャスト:パク・シフ、チョン・ジェヨン、チョン・ヘギュン
監督・脚本:チョン・ビョンギル
製作:イ・ヨンヒ、助監督:チェ・ウンジョン、撮影:キム・ギテ、照明:キム・ギョンソク、音楽:キム・ウグン、
録音:パク・ジョングン、音響:イ・インギュ、美術:ヤン・ホンサム、キム・ジワン、キム・ユンソク、
武術指導:クォン・キドク
2012年/韓国/カラー/デジタル作品/ドルビーSR/ビスタサイズ/119分/
字幕翻訳:小寺由香
配給:ツイン