何を選び、何を食べるかで、あなたの人生が決まる~『あたらしい食のABC』

相性が良い食事法を選択する

「食べるものがその人を決める」とはよくいわれる話です。特に、食に対して高い意識を持っている方にとっては、今更で当たり前のことかもしれません。でも、忙しい毎日のなかで、私たちはどれくらいそのことを意識し、食事を頂いているでしょうか?

『あたらしい食のABC』は、現代を生きるためのホリスティックな知恵を厳選して配信する『murmur magazine マーマーマガジン』の編集長である服部みれいさんの著書。代替療法の情報配信にも力を入れている服部さんは、当然のように食に対しても、深いこだわりを持っています。こだわりと言うよりは、「食べることに、誠意を持って向き合っている」という表現の方がしっくりくるかもしれません。

本書は、「安全」「ソウルフード」「思い出」など、さまざまな視点から改めて「食」にして考えるきっかけを与えてくれる一冊です。マクロビオティック、ローフード、1日1食、断食、粗食、東洋医学に基づいた食事法、アーユルヴェーダに基づいた食事法などなど、巷には数えきれないほどの「食事法」が溢れています。そんななかで、「どの食事法が自分に合うかどうかは、自分がもつそのときの波動に共振するのでしょう」と服部さん。

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わたしは、「食べかた」が自分に合うかどうかを見るときに、それを実践している「人」を見ます。顔つきを見るわけです。肌がかさかさしていたり、黒ずんでいたり、極端にやせていたり、神経質な人が多くないか、怒りっぽくないか、など、よく観察します。「何がいい/悪い」ということはありません。ただ、おいしいものはもちろんのこと、自分が本当に大切だと思っていること――たのしさ、無邪気さ、そして全体としての健康など――と合致するかどうかを、その人全体を見て、判断するのです

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「危険な食」「安全な食」の判断基準

食品添加物や化学調味料、遺伝組み換え食品や放射能汚染食品など、私たちの周りには「食の安全」を疑わざるを得ない食品が溢れ返っています。そのなかで、それらの食品を完全にシャットアウトすることは、決して簡単なことではありません。今、「何が安全な食品か」を判断し、「何を食べるか」を選択することは、最低限必要なこと。そして、その時に求められるのが、情報を鵜呑みにせず、自分で知識を得て、判断することだと服部さん。

「コンビニ食品は添加物がたくさん」「中国輸入食品は危険」「オーガニック野菜は安全」……このような情報は、週刊誌やテレビでも毎週のように目にしますが、果たしてその情報自体が本当に正しいのかどうか、自分でその情報をしっかりと精査したうえで判断していることなのか。

本書を読んでいると、本当の意味で「安全な食べ物」を選択したいならば、その責任は他人ではなく、自分自身にあるということを実感します。

ただ、ここで服部さんが強調するのが、「安全だからOK、高級だからOK」では決してないということ。「食」にとって最も大切なのが「愛のある食べ物」であるかどうか。「食べ物はエネルギー」。だからこそ、栄養よりも、産地よりも、誰が、どんな想いを込めてつくったかどうかを見極め、「愛のエネルギーが高そうな食」を選ぶことが必要です。
「食」とは、栄養素などの現実的な部分と、魂の部分、そのふたつの側面から向き合うことが大切なのだと、深く実感できる一冊です。

『あたらしい食のABC』
服部みれい 著
WAVE出版
1,470円(税込)