「蒼月紫野の石と幸せに暮らすHappyLife」パワーストーン生活をステップアップ!PART.22

カテドラル水晶がボスになった

石初心者さんの家で、カテドラル水晶の十三がボスに就任しましたが、その後の様子を少し覗いてみましょう。
「十三さんかぁ~素敵な名前ね」
十三の声は威厳があり落ち着いた渋い声でした。すんなりと声にも馴染めましたし、彼が何かを話すたびに石達が喜んでいるらしいのも分かります。家の石をそっとしておいて、石初心者さんは今日の夕食作りに取りかかりました。

“ほお、自分で料理を一から作るとは、なかなかできた子じゃな。ハインリヒから聞いたとおりじゃ”
“ええ、自炊をいつもマスターはされているんですよ”
モリオンが答えました。
“今度料理関係に詳しいのを連れてくるとしよう。あの店に立ち寄ったときにみれるようにしておこうとおもうが、各員いかがかな”
“賛成!”の声が全員の意見でしたのでその場で決まりました。

ハインリヒは良かったと思いました。十三は石の中でもかなりの長生きで知識をたくさん蓄えています。その知恵は石初心者さんをうまく導いてくれるでしょう。ハインリヒも無論長い時を経て生きていますが、十三とは役目が違うのです。皆に声をかけ終わった十三がハインリヒに話しかけてきました。
“ハインリヒは儂の補助を頼む。またお主はレシーバーでもある。よろしく頼むぞ”
“はい。拝命つかまつります”

そうしているうちに夕食ができあがりました。石初心者さんがカルボナーラとシーザーサラダを持ってきました。それと牛乳。あとでミルクティーを飲むためです。
“皆楽しそうね、どうしたの?”

こういう質問は執事役のモリオンがすがさず回答します。
“ボスに十三さんが就任したのでお祝いをしておりました。それから各自の仕事の割り振りなどを確認していたんですよ。ハインリヒがレシーバー兼サブリーダーなので今まで通りハインリヒを連れて行けますよ”
“わぁ、そうなんだ。嬉しいな”

にこにこ笑顔の石初心者さんは、いただきまーすと言いながら食事をゆっくりと食べ始めました。石初心者さんは、だいぶ石との会話にも慣れてきたので食事しながらでも石と話せるようになっていたのです。石との会話中は他人から見れば無言ですが、内容はとても楽しく、多岐にわたる会話ができます。
“みんな、良かったね。これからもよろしくね”

新しい石だけではなく古い石も大事にする石初心者さん。そこが十三はかなり気に入りました。もう初心者ではなく中級者になっているなと判断したようです。これからどう石界の事を教えるか考えている十三の横顔を、他の石達が見つめていました。自分たちにとって最高のボスが来てくれたのを、心から嬉しく思いながら。

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