オーガニックでヘルシーエイジングライフPART.10~狂った油と体に悪い油の弊害~

オーガニックでヘルシーエイジングライフPART.10~狂った油と体に悪い油の弊害~

なぜ日本ではトランス脂肪酸の規制がないのか

体内からのアプローチ第4弾。化学合成油脂である危険な油「トランス脂肪酸」と体に良くない油「飽和脂肪酸」のお話です。関東に多く店舗を持つ流通大手が2010年12月にトランス脂肪酸を含む食品を原則店舗に置かないという方針を打ち出し、メディアに大々的に報道されたことがきっかけで、日本でもやっとトランス脂肪酸は危険という認識が高まってきました。

この「狂った油」と言われるトランス脂肪酸は既に先進国では規制が厳しい国が多く、アメリカでは2006年にNY市内のレストランでの規制を決定した他、カリフォルニア州では州レベルで使用禁止を決定し、その他カナダ、デンマーク、オランダ、オーストリア、アイスランド、イギリス、ドイツ、韓国が国をあげて規制しています。またハンガリー、ルーマニア、台湾ではトランス脂肪酸を多く含むファーストフードやソフトドリンク、菓子類など税金をかける「ジャンクフード税」なるものが導入されています。

しかし日本はというと、トランス脂肪酸による規制は今のところありません。世界保健機構(WHO)では総エネルギー摂取量の1%未満、1日約2g以下を提唱していますが、日本人はこれに満たない摂取量であるとの見解で表示義務化は見送られたようです。

トランス脂肪酸とは

PART.9では良い油が不飽和脂肪酸で悪い油は飽和脂肪酸という話をしましたが、これらはすべて天然の油。トランス脂肪酸は危険な油なので飽和脂肪酸と思いきや不飽和脂肪酸。トランス脂肪酸は人工的に作られた油なので不飽和脂肪酸でも危険な悪い油になります。また、トランス脂肪酸は牛などの動物の体脂肪と乳脂肪に微量にある自然界のトランス脂肪酸と自然界にはない油脂を加工精製する過程に出来るトランス脂肪酸があり、危険な油はもちろん後者の自然界にはない加工精製されたトランス脂肪酸です。

植物油に水素を添加して固形化する時に発生する副産物がトランス脂肪酸で、マーガリンやショートニングを植物油から作る時に多くできます。よってマーガリンやショートニングは人工的に作られた自然界にはない食べ物ということになります。

トランス脂肪酸の健康リスク

トランス脂肪酸が何故こんなに悪者扱いされて「狂った油」と呼ばれているのでしょう? 人工的に作られたトランス脂肪酸を含む食品を食べると病気になるリスクが高まりますが、具体的には、善玉菌を減らし悪玉菌を増やしてしまう、体の細胞の細胞膜の中に入り込み細胞と細胞膜の動きを狂わせる、体内にあるビタミンなどの栄養素を減らしてしまうことが研究結果で明らかになっています。PART.9で細胞膜の総重量の50%は脂質でできており、良質な油を摂取するか否かで細胞の再生のサイクルが変わってくると述べましたが、危険な油であるトランス脂肪酸を摂取すると人間の生命維持にとって大事な細胞膜に悪影響を及ぼすことがお分かり頂けたと思います。どんな健康リスクが高まるかというと、動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞、心臓疾患、癌、免疫力低下、認知症、不妊症、うつ病、アレルギー疾患、アトピー性皮膚炎、糖尿病、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、情緒不安底、集中障害など多くの病気の原因になることがわかっています。

どんな食べ物にトランス脂肪酸が含まれているのか

具体的にトランス脂肪酸が含まれている食品は、

・マーガリン・ショートニング・ファッドスプレッド・スナック菓子・クッキー・ビスケット類・食パン・菓子パン・ドーナツ・カレールウ・シチュールウ・マヨネーズ・インスタント食品・レトルト食品・冷凍食品・揚げ油・天ぷら・フライ・チーズ・コーヒークリーム・生クリーム・ファーストフードの食事・アイスクリーム・チョコレート・即席麺・牛乳・古い揚げ油・食用油(サラダ油、天ぷら油、大豆油)・ラード・牛脂・牛肉

これだけあります。日常生活でよほど食べ物に気を付けなければトランス脂肪酸を避けるのは難しいほど様々な食品に含まれています。食品の健康被害のリスクはそれをどのくらい食べているかで変わってきますが、お米離れが進んでいる日本で1人当たりのトランス脂肪酸の摂取量は多くなってきているのではと感じます。

トランス脂肪酸を減らした結果の弊害

海外では規制が厳しいトランス脂肪酸ですが、日本の食品メーカーでは食品に含まれるトランス脂肪酸を減らそうと原料を変えたり、製法を変えたりしているようです。しかしその結果、食品に体に良くない油である飽和脂肪酸の含有量が増えていることが食品安全委員会の調査で明らかになりました。PART.9で述べたように飽和脂肪酸は、血液の流れを悪くし血中のコレステロールを上昇させ、多く摂取すると肥満・動脈硬化・脳卒中・心臓疾患などの生活習慣病になりやすくなります。

体に良くないトランス脂肪酸と飽和脂肪酸を避けるには、食品の原材料表示をきちんと確かめて植物油・植物油脂・植物性油脂・加工油などの表示に気を付ける、マーガリンやショートニングを使用した食品はなるべく摂取しない、ドレッシングやマヨネーズはなるべく手作りし市販のものは健康食品店などで購入する、揚げ物はなるべく避け、料理用油はオリーブオイル・キャノーラオイル(菜種油)・マカデミアナッツオイル・米油・アボカドオイルを使用する、動物性油脂をなるべく取らないなどに気を付けることをお勧めします。たかが油、されど油、脂っこい食事は敬遠されがちで油は悪いイメージがありますが、良い油を適切に摂取することは人間が生命を維持していくうえで必要不可欠なものなのです。