アンガーマネジメント Vol.10「“許し”について」

アンガーマネジメント Vol.10「“許し”について」

「許し」はネガティブ感情から抜け出すカギ

今回は、アンガーマネジメント(怒りのコントロール)のテクニックというより、もう少し感情の本質的な部分を見て行きたいと思います。「許し」についてです。「許し」という言葉は、宗教観の違いなどもあり、日本人にはそれほど身近でない概念かもしれません。でも「許し」は、怒りや恨みというネガティブ感情から自分が抜け出せるきっかけを与えてくれる場合もあります。今回は、John Schinnererという人がアンガーマネジメントを講義している中から、許しについて話している部分をご紹介します。

氏は、「許し」はネガティブな感情の中で、特に「怒り」の感情の水を捨てるのに有効と話します。まず知っておかなければならないのは、もしあなたが現在怒りや恨みを抱えているなら、それはあなた自身を傷付けているだけで、相手は痛くもかゆくもないという点です。

怒りや恨みは、確実にあなたの心身を蝕みます。ストレス、不眠、食欲減退、ホルモンバランスの崩れ、循環器系の疾患など、まさに「自分が毒を飲みながら、相手が死ぬのを待っている」ような状態です。
しかしどうして多くの人がこの感情を持ち続けているかというと、

許したら相手の言動を正しいと認める事になるのではないか
許したらまた傷付けられてしまうのではないか

と、憎しみや恨みを持ち続ける事で自分を守ろうとしてしまうからです。

これのどこがまずいかというと、いつまでも自分の意識を過去に釘付けにしてしまい、被害者意識から離れられなくなってしまう点です。被害者意識があるという事は「自分の感情は自分で決める、自分の人生は自分で決める」という当事者意識を失っている状態です。

「許し」はネガティブ感情から抜け出すカギ

私自身の例を取れば、20代前半は被害者意識の固まりでした。まぁ、その理由も最もなのです。事実、私は全く悪い事はしていないのに、ひどく感情が傷つき、裏切られたという思いで一杯でした(まだこの頃は感情のコントロールを見に付けていなかったので、受け身的な表現を使います)。絶対にこの恨みを忘れてはいけない、事あるごとに思い出さなければ、と思っていたのです。その結果どうなったと思いますか?離人神経症という軽い神経疾患にかかってしまったんです。

その数年後、より酷い経験をしました。そしてこの時、初めて「許し」を意識的に実践したのです。「相手との間にあった事は、嬉しかった事、楽しかった事以外全て忘れる」と決心しました。そして、実践しました。恨みや怒りの感情から解放されると、これ程毎日が明るくなるとは想像もしていませんでした。

「許し」に対するこのような考えは、相容れる人も相容れない人もいると思います。ただ、許す事で辛い過去から解放され、今この瞬間を100%生きる喜びを味わえる(「ゆるす」ということ ジェラルド・G・ジャンポルスキー 2007)のではないでしょうか。氏は言います。「許すことはあなたがされた事を承認する事ではなく、忘れる必要もありません。それでもあなた自身のために、許すことはできるのです」

難しく奥が深いテーマですが、ゆるしによって過去の傷を手放す事ができるようになるのかもしれません。

【今日のまとめ】
相手が「許されるに値するか」を考えるのではなく、あなた自身が幸せになる権利を実行するために、許しましょう。恨みを内に抱えながら、同時に幸せにはなれません。

 

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