一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.5 乙武洋匡先生と28人の生徒たちが織りなす感涙作!

体の不自由な人は霊格が高いという

体が不自由な人というのは、霊格(魂のレベル)が高い人らしい。現世は魂を磨く修行の場なので、より高い修行を目指す位の高い魂は、いろんな悪条件を自分につけたり、波瀾万丈の人生にしたりして生まれてくる。もちろん、自分で決めてのことだ。だから時に重い病で喋ることもできず寝たきりの人が、天使のような笑顔と優しさを見せ、家族の心の支えとして宝になっていることもある。この人はほんとに天使だったりするのだけど(笑)。そういうことを知ってから、私は障害者を見る目が変わった。

「五体不満足」がベストセラーになった乙武洋匡さんを初めて見た時は「おっ!」となったが、著作を読んで納得した。「ああ、この人はものすごく霊格が高い。魂が綺麗だ」と。彼のその後の活躍や、小学校の教師になり、ずいぶんそこで大変だったとのこと、その体験を小説にして映画化になること……私なりに注目してきた。この人は特別だし、とても目立つ。その上でどんな修行をしていってるのか、興味があったからだ。

映画での乙武さんは演技も自然で上手で素晴らしかった。どうしても、国分太一さんや子供たちの出番が多めになっていたので、もっと乙武さんを出して欲しかった気もしたが。彼が登場すると画面に強いパワーを感じられたからだ。

 

まずは行動しないと何も動かない!

さて、映画は子供たちの演技とそれを追う巧みなカメラワーク、演出で何度もうるうるさせられるのだが、私が一番感動したのは文乃というダウン症の姉を持つちょっと影のある少女のエピソードだ。彼女は姉のことが大好きなのだが、動物園でゾウの真似をした姉が皆に笑われるのを見て、姉のことを恥ずかしく思う自分とうまく折り合いがつけられなくなり学校に来なくなる。お姉ちゃんを好きなんだけど、嫌い、という二つの相反する気持ちに心が引き裂かれるわけなんだけど、私は彼女の告白を聞きながら、なんて人間とは矛盾に満ちた生き物であることよ、そして子供も大人と同じようなことで悩んでるんだ、とそこに深い「人間ドラマ」を見た気分になった。

そして、そんな文乃にどう接したらいいか悩む乙武さんに、彼の母親が軽く言う。「そんな壁見て悩んでても駄目だよ。まずは?」「……そう、まずは行動!だったね」と二人で「行動」のところをハモルのだ。

ああ~! いいなあ! 天然で明るい実際の乙武さんのお母さまの性格と教育が顕著に出た良いシーンだ。それから乙武さんは文乃に手紙を書き始める。「まずは行動!」まさに、乙武さんの人生は行動して掴み取ってきたものばかりだろう。このセリフは私もものすごく共感した。私も行動しないと人生が動いていかないタイプなので(笑)。

でも、明るく笑顔で積極的に生きていく、は全ての人間の基本姿勢ではないだろうか? このセリフ、本作中、一番のヒットです!

 

「だいじょうぶ3組」
2013年3月23日(土)TOHOシネマズ梅田ほか全国東宝系ロードショー出演:国分太一、乙武洋匡、榮倉奈々、三宅弘城、安藤玉恵、渡辺真起子、木下ほうか、
根岸季衣 / 田口トモロヲ 余 貴美子
監督:廣木隆一、脚本:加藤正人、音楽:世武裕子(オリジナル・サウンドトラック/メディアファクトリー)
原作:乙武洋匡「だいじょうぶ3組」(講談社刊)
(C)2013「だいじょうぶ3組」製作委員会 公式サイト http://daijyobu-3.com/

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