生理痛専門治療院から「生理痛をなくすためにできること」PART.6~食習慣の改善①

どんな食習慣を心掛ければいいのか?

「日々、どんなものを口にするか?」という食に関する習慣と生理痛には大きな関係があります。不適切な食習慣は、生理痛の原因となることがあるのです。

不適切な食習慣を続けると、女性ホルモンのバランスが乱れてしまうことが分かっています。月経は、主にエストロゲンというホルモン群とプロゲステロンというホルモンによってコントロールされており、この両者のバランスが乱れてしまうと生理痛につながるようなのです。

ホルモンバランスと生理痛

エストロゲンと呼ばれる3種類のホルモンは、主に細胞の分裂を促進する作用があります。このホルモンは乳房の発達や子宮内膜の増殖といった女性らしさをつくり、妊娠や出産にも欠かせないホルモンです。しかし、その生成レベルが過剰になってしまうと様々な害悪をもたらしてしまうことが指摘されています。例えば、エストロゲンは子宮内膜の形成を促しますが、エストロゲンが過剰になると形成される子宮内膜も通常より厚くなってしまいます。

妊娠が成立しないと、形成された子宮内膜はプロスタグランジンという物質の作用で除去されますが、この場合に分泌されるプロスタグランジンは筋肉や血管を収縮させたり、痛みや熱症状を促進する作用があります。エストロゲン・レベルが高いと、子宮内で形成される子宮内膜も厚くなり、プロスタグランジンの分泌量も増えるため、生理時のつよい痛みや頭痛、吐き気、下痢などを引き起こしてしまうのです。

エストロゲン・レベルを高めてしまう食品は?

エストロゲン濃度を高める食品として上位に挙げられているのは牛乳や乳製品です。エストロゲンの原材料は脂肪ですが、牛乳は非常に高脂肪の食品で、エストロゲンの生成を健全なレベル以上に高めてしまう危険性が高いと指摘されているのです。また、生まれたての牛の赤ちゃんを成長させる(一年で約8kgから約454kg)のに役立つ生物活性ホルモンやエストロゲンそのものを多量に含んでいるため、必要以上に初潮を早めたり、生理痛や子宮の病気をもたらしてしまう可能性もあるようです。さらに乳牛の飼料に混入されている成長を促進させるホルモンや農薬、ダイオキシンなどの環境ホルモンが牛乳にも濃縮された形で含まれていて、これらの物質もホルモンバランスを攪乱する原因となるというのです。

牛乳や乳製品を摂取すべきか?

牛乳は学校給食で出されたり、バターやアイスクリームといった乳製品の原料として馴染みの深い食品です。ヨーグルトやソフトクリームなど、牛乳を使った食品が大好物という女性は多いですよね。牛乳や乳製品は、カルシウムが豊富で健康な身体づくりには欠かせないイメージが強いと思います。牛乳には害悪も指摘されていますが、一般的に知られているようなポジティブな効果もあります。ビタミンAやカルシウム、マグネシウム、鉄、マンガンなどのミネラルも豊富に含まれています。人によっては、牛乳の摂取が健康増進に役立つというのも間違いではないのです。

やはり、大切なのはバランスだと思います。普段、肉や卵などの動物性の食品を多く摂っている人は、牛乳や乳製品のような高脂肪で環境ホルモンの混入が考えられるような食品は好ましくないでしょう。一方で、野菜や果物を中心とした食生活を送っていれば、多少なら牛乳や乳製品を摂取しても問題ないと思います。生理痛の原因も様々ですから、牛乳や乳製品を控えれば直ちに痛みが改善するとは限りませんが、あなたの食生活にあわせて検討してみてください。

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