松田有真のミラクルHappy☆Life宮古島~しあわせ島時間PART.2 命を繋ぐ大事なお水⑤

かつての宮古島の生活用水源~「雨水」と「井戸」~

現在、私が住んでいる、宮古島ではその昔、昭和初期の頃は水道施設がなく住民の使用する水はもっぱら湧水(地下水)か雨水に頼るしかありませんでした。

 

なぜならば、宮古島は珊瑚が隆起して出来上がった島であり、その独特の地質と地形故、島内には川や湖がなく、降雨も不安定で人々の生活を支えるのは島の所々に湧き出る地下水や雨水しか無かった為です。
⇒「宮古島の地質と地形」についての詳細は前回の記事をご参照ください☆ 記事はコチラ

水不足が続けば、島の人々は日々の生活はおろか、命を繋ぐ事が出来なくなってしまいます。その為、宮古島ではアマグイザー(雨乞い座)という祈りの場では水の神への祈りも頻繁におこなわれてきました。こんなにもお水を確保することは大変な事だったのですね! 昔の宮古島では、次のような方法で水の確保が行われていたそうです。

◆その①「雨水を溜めて使用する方法」
昔の宮古島では、雨水を確保する際の用具として、各家庭に水を溜めておく様々な容量の水瓶がありました。雨の降る日には屋根から樋(とい)を伝って流れ落ちる雨をこの瓶に溜め使用していたそうです。さらにゆとりのある家庭では縦横高さ2mもあるコンクリートの水タンクを作ってこれに雨水を溜めて使っていたそうです。今、水道の蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくる環境で暮らしている私達にとっては、にわかに信じがたいようなお話ですよね! しかし、これはつい80年程前迄の実際のお話なのです。生活用水を確保する為に、これらの工夫を行わなくてはならなかったのですね。

◆その②「井戸水を使用する方法」
そしてもう一つ、島の人達にとっての大事な水源は「井戸」でした。

この「井戸の確保」も昔の人々にとって、それは容易な事ではありませんでした。

宮古島の井戸には、いくつかのタイプがありますが、人の手で掘られる井戸に関して言えば、宮古島の地下水は、土壌の下に横たわる石灰岩中に存在する為、その固い石灰岩の先にある水源に到達する為に地中深く井戸を掘り生活用水を得るのは、非常に困難であった為です。
↑こちらが琉球石灰岩

地下の水源に到達するまでの距離を、硬い石灰岩の岩盤を砕いて掘り進む事は、さぞかし大変な作業であった事でしょう……。 私も現在建築中の家の施工工事の過程で、地面に穴を掘る機会に立ち会った事がありますが、間もなく琉球石灰岩の硬い岩にぶつかり、その先を掘り進めることが困難だった事がありました。今こうして水が当たり前にある環境で暮らしている私達は本当に恵まれているのですね!尊いお水、豊かなお水がある暮らしに改めて、心から感謝です……!

古くより宮古島の人々の暮らしを支えてきた井戸を始めとする貴重な島内の水源ですが、実は、様々なタイプのものが存在していました。珊瑚が隆起して出来上がった独特の地質と地形の島、宮古島には、いったいどんな種類の“水のスポット”があるのでしょうか? 次回は、そのヒミツに迫ってみましょう!