松田有真のミラクルHappy☆Life宮古島~しあわせ島時間PART.2 命を繋ぐ大事なお水⑦

島のあちこちで見られる不思議な丸い穴の正体とは?!

宮古島の各地を巡っていると、穴がぽっかりと空いた、一風変わった不思議な光景を見かけることがあります。皆さんはご存知でしょうか? 例えば、次のような写真に代表される窪地です。

パイナガマビーチの西側に連なる海岸の岩に空いた穴や……

 

宮古島の東の突端にある観光名所「東平安名崎」にある不思議な穴。

また、宮古島からフェリーで渡る、ダイビングスポットとして有名な隣の島下地島の「通り池」に代表される不思議な地形です。

何とも独特の形状をした不思議な地形ですよね!これらはいったい、何だと思いますか? 正解はこちら↓↓

雨水や地下水で浸食された
独特な地形「ドリーネ」

この不思議な穴は、「ドリーネ」と言って、宮古島を含む、石灰岩地域で発達する「カルスト」という雨水や地下水などで浸食された地形の一種なのです。しかし、なぜこの不思議な窪地「ドリーネ」が出来るのでしょう? それには宮古島の地層に代表される「石灰岩」にヒミツがありました! 宮古島の代表的な地層の石灰岩は二酸化炭素や酸素を含む水に溶けやすい性質を持っている為、雨水が石灰岩の割れ目に沿って集中的に地下に浸透する過程で周囲の石灰岩を溶かします。その為、地表にドリーネが多数形成されます。地下水や雨水、二酸化炭素によって化学変化が起きて石灰質が溶けてしまうのですね!

このドリーネの直径は10mから1,000mまで。深さは2mから、深いものだとなんと、100mくらいのものまであるそうです!宮古地域で「ドリーネ」は、地上に降った雨が地下へ浸透する時の「通り道」になっていていわば「集水口」のような重要な役割を果たしています。このような溶解の働きによって、鍾乳洞の天井が陥没してできたドリーネは海岸域に限らず内陸にも見られ、その一部はかつて島の人々住民(主に婦女子)が昇り降りして地下水をくみ上げる為の井戸「洞井」として用いられていました。

代表的な「洞井」・「降り井」の「盛加井」。平良市内にある。


こちらは、城辺町友利の「友利のあま井} この2か所もドリーネの名残の井戸。 

この役目を果たす「ドリーネ」を、宮古地域では「ミズヌンアブ」=(水を飲む穴)と呼んでいます。「水を飲む穴」で「ミズヌンアブ」……何とも感性豊かな表現ですよね! 宮古島を訪れた際に、この不思議な窪地「ドリーネ」を見かけた時には是非、思い出してみて下さい! 「ドリーネ」そして、「ミ・ズ・ヌ・ン・ア・ブ」です☆

次回は宮古島に幾つもある湧水ポイントと、それぞれの特徴についてご紹介してみましょう☆宮古島に点在する水の湧き出るポイント(泉)は、どんな種類があり、それぞれどんな特徴があるのでしょうか……?