健康の神髄は“骨”にあり! 横綱・白鵬関も信頼する山田豊文氏セミナー参加レポート

食に関する健康法はさまざま紹介されてきていますが、横綱・白鵬関やダルビッシュ有投手などの食指導も行っている杏林予防医学研究所所長・山田豊文さんの新刊は『「老けない体」は骨で決まる』。確かに、骨って人間の土台でもあるし、足腰が弱くなっては歩くこともできなくなってしまう。でも、単に骨というパーツだけでなく、その骨のシステムこそが健康の基本だったというお話でした。

牛乳をあまり飲まないようにしているという人、意外と多いのではないでしょうか。日本人の体質には合わないことが少し前から言われはじめましたよね。その主な理由として、牛乳を消化できないことは一般的に広く知られていますが、今回の山田先生のセミナーでは牛乳の主成分ともいえるカルシウムと健康の密接な関係。お話のポイントをまとめました。

 時に悪玉として働く!? カルシウムと体内の働き
「脱灰」「再石灰化」「異所性石灰化」

カルシウムは骨を健康に保つ大事な要素と、認識されているはずです。そして、カルシウムが減ってしまうことがスカスカの骨をつくり、骨粗しょう症へなってしまうことは一般的な知識ですよね。そのために積極的にカルシウムをサプリや食事で摂り入れようとされてはいないでしょうか?

山田所長は、「カルシウムは過剰に摂るのではなく、骨からカルシウムを失わせないようにすること、そして骨が正しく再石灰すること」が大切だとおっしゃいます。ここで簡単にカルシウムの体内の働きをご紹介。
・脱灰―体内で何かトラブルが起きたときにそれを処理するため、骨のカルシウムを一時的に血液中へと放出する働き。
・再石灰化―処理を終えたカルシウムが再び骨に戻っていくこと。
・異所性石灰化―処理を終えたカルシウムが、本来戻るべき骨ではない部分に沈着してしまうこと。

本来は、上記の「脱灰」と「再石灰化」が正常に働いていればカルシウムが誤作動を起こすことはありません。骨粗しょう症は、この「脱灰」が過剰に行われることで、骨のカルシウムが必要以上に奪われた状態。だから、そこへカルシウムを補ってやりたくなるのですが、ただカルシウムだけを補給すればいいというものでもないそうです。そうして、「異所性再石灰化」という本来あってはいけない血管内などにカルシウムが溜まってしまうのです。脳梗塞などを引き起こす血管のつまりの原因の一つにこういったカルシウムの蓄積があるそうです。カルシウムと言えば、体内にあってもあっても足りない必需品というイメージがあった方にとっては大きな衝撃ですね。

カルシウムを悪玉化させないために
まずはミネラルを正しく摂ること

体内にはバランスというものがあります。たとえば過剰な牛乳をはじめとする乳製品や肉食や添加物の多い食事をしていると体内が酸性などに傾き、その調整をするためにもアルカリ性であるカルシウムが脱灰を起こして使われるようになるそう。そうやって、私たちは常にカルシウムを脱灰によって使っている状況。さらに、ミネラルにもきちんと働き理想的なバランスがあり、たとえば牛乳を飲んだとしても、マグネシウムなど他のミネラルが不足していては体内でしっかり働いたり、脱灰、再石灰が正常に働くなくなってしまいます。それでは、消化吸収も上手に行われないので、いくら外から取り入れても無意味、ということです。

山田先生がおススメする食生活の基本
・動物性食品は少な目に。牛乳も嗜好品として楽しむ程度ならよいが健康には悪影響のため飲まない)。
・生のお野菜をたくさんいただく
・炭水化物は大切な栄養素。ただしそれは、精製していないものに限る。
・良質の油(オメガ3)を積極的に摂る。
・発がん物質で他国では使用も禁止されているトランス脂肪酸を極力摂らない
・マグネシウムを積極的に摂る。カルシウムとのベストバランスは1(カルシウム):1(マグネシウム)
・時おり断食(水だけではなく、ジュースやミネラルで栄養を補いながら)ができるとベスト

どれも、基本的に言われているものですが、それだけその基本を守ることが大切だということですよね。

<Information>
 杏林予防医学研究所所長・山田豊文氏によるセミナー開催
■日時…4月25日(木)14:00~16:00

■会 場…日本教育会館 第二会議室(8F 805~806 号室)
 東京都千代田区一ツ橋2-6-2
■講 師…山田豊文(杏林予防医学研究所 所長)
■定員…150 名 ※必ず事前にお申込み下さい
■会 費:一般3,000円(KPMIメンバーズは無料)

詳しくは杏林予防医学研究所までお問い合わせください。
http://www.kyorin-yobou.com/
TEL 075-252-0008