遺伝子上の子ども532人に裁判を起こされたダヴィッドの運命は?『人生、ブラボー!』

遺伝子上の子ども532人に裁判を起こされたダヴィッドの運命は?『人生、ブラボー!』

スピリチュアルカウンセラー・講師のRev.REMIです。今回はご縁あって、ハリウッドで争奪戦の末、スピルバーグ監督がリメイク権を獲得したという映画「人生、ブラボー!」のレビューを書かせていただくことになりました。

冒頭のシーンで苦笑しつつ「どうやってこれから涙と感動の物語になるんだろう?」と疑問が湧いた本作。けれど物語も中盤を過ぎたあたりから、涙が浮かんでは笑い、頬をぬぐっては、また笑い。終盤には流れる涙を抑えることができず、涙を拭くものを忘れたことを心から後悔しました。それも、何度も…。

この作品は、家族の愛と絆を描いたヒューマンドラマ。ダメ男の典型のようなダヴィッドが守護天使のような父親に変容する物語であり、それぞれの人生を懸命に生きる142人の子供たちが愛と絆にたどり着く物語です。映画の中で、彼らがそれぞれの人生に欠けていたものを見出し変化していくさまは、本当に感動的です。

本作の主人公ダヴィッドを演じたパトリック・ユアールはインタビューで「この役のために、僕はこれまでの人生すべてをかけて準備をしてきたんだと思う。人間として俳優として。たとえ5年前でも、この役を演じる準備はできてなかったと思うよ」と語っています。
私も3年前に親になり、親や家族の困難を分かち合ったからこそ、こんなに笑って、こんなに涙したのかもしれません。

私の娘は3年前の2010年、4日間の陣痛と難産の末、緊急帝王切開で生まれました。24時間年中無休に例えられる子育てはたしかに想像以上の大変さで、先天性心疾患、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎に対処しながらの毎日はほんとうに忙しい。そのうえ子供の誕生直後から、家族をゆるがすような出来事が重なりました。

父方の祖父の、検査入院の退院前日の事故と急死、母方の祖母の突然の失踪。2011年の大震災後の混乱と不況は父の会社に打撃を与え、とうとう同年12月、私の誕生日の前日に幕引きを迎えたのでした。この3年間は、小説の脚本になるかと思うほどドラマチックでした。

けれど、子供とのきらきらと輝く日常のなかに散りばめられたたくさんの宝物のような瞬間に、親であることの感動をたくさん味わわせてもらっています。そのような子供という圧倒的な命の存在と、子育てという日常性にも助けられ、皆で、家族に訪れた危機を乗り切れたのだと思います。本当に、人生にはいろいろなことが起きるものですね。

2012年の12月、父の会社の廃業から1年経った私の誕生日に、再び家族が集まることができました。我が家らしい、楽しい会話に、両親が穏やかな生活を取り戻したことを確信して、私は本当によかった…と心底ほっとしていました。そんなタイミングで、この感動作。ど真ん中です(笑)

作品中、父親としての愛に目覚めたダヴィッドと子供たちが過ごすシーンは、宝石のように美しく、生きることの讃歌のように感動的で、まぶしいほど…。誰もが人生のなかで経験するであろう、さまざまな想いや記憶―痛み、ジレンマや葛藤、自分の存在や人生の意味を問う独特の苦悩や切なさ、癒し、本当の自分を見出す喜びや、人生を一変させてしまうような感動、愛―。

作品のなかに散りばめられた、心に深く響くシーンがよみがえるたび、自身の人生の様々な場面が走馬燈のように思い出され、私のノートには涙のしずくがポツポツと滲んでいきました。大きなカタルシスが起き、私はたくさんの言葉を綴りました。

世界中の映画祭で大喝采を浴び、観客賞を総なめにしたというのも大いに納得の本作。笑いと涙がないまぜになって、さざなみのように押し寄せる感動のエンディングを迎えたら、きっと誰もが叫びたくなることでしょう。そう、そう、そうなんです。

生きるって、なんて素晴らしいんだろう!
人生、ブラボー!!

<1月26日よりシネスイッチ銀座ほか 全国順次ロードショー>
『人生、ブラボー!』公式サイト
■公開表記:2013年1月26日(土)より、シネスイッチ銀座他全国ロードショー!!
■コピーライト表記:(C) 2011 PCF STARBUCK LE FILM INC.
■配給:クロックワークス、コムストック・グループ

監督・脚本:ケン・スコット 出演:パトリック・ユアール、アントワーヌ・ベルトラン
2011/カナダ/110分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/フランス語/原題:STARBUCK
後援:カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所
配給:クロックワークス、コムストック・グループ 協力:パラマウント

 

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