心が楽になる幸せ体質の作り方PART.9~感情の蓋を開けると人間関係が良くなる

「怒り」には、必ずそれを引き起こす元の感情がある

東洋医学では過度な感情は内臓を傷めると言われています。そのことは、たくさんの方が書籍やインターネットのサイトで書かれているので、最近では「精神的ストレスが内臓に負担をかけることになる」ということは一般の方でも知られるようになってきました。

東洋医学では“怒り”は肝臓を傷めると伝えられているのですが、実際に肝臓に負担がかかっている方に対して「最近、怒っていませんか?」と聞いてみると、「そういえば…」という方もいますが、「そんなことないですよ」という方も結構おられます。しかし、そういう方ほど心の奥深くに感情を溜めこんでいる場合が多いものです。

心の奥深くとはどういうことか? これまでの人生の中で辛すぎて自分では対処しきれなくなるような状況に置かれたとき、感情の渦に押し潰されてしまわないように蓋をして何も感じないようにしてしまいます。それは怒りよりも悲しみだったり悔しさだったりと別の感情であることが多く、蓋をした感情は消えることなく自分が気付かないほど心の奥深くに蓄積されていきます。そもそも、怒りは心理学で二次感情と考えられており、怒りを感じる前にその感情を引き起こす一次感情が存在します。

例えば、子供が迷子になったときに親はすごく心配しますよね。子供に何かあったらどうしようと不安でいっぱいになります。しかし、無事に子供が見つかったときに「勝手にどこかへ行ったらダメでしょ!」と、何故か叱ってしまうことがあります。このときの一次感情は“不安”というわけです。過去に不安を感じないように蓋をしていたとすると、新たな不安が過去の不安を再体験するような気にさせます。それだけは避けたいので無意識に別の感情と置き換えようとします。そこで、避けていた感情を再体験させようとした対象である子供に対して怒りをぶつけることで再び蓋をするのです。

 

怒りを我慢するのは×
なぜ怒っているのかと向き合うこと

このように蓋をして感じないようにしている感情は自分では気付かないことが多いです。なにかの拍子に怒りが出てきたら一度深呼吸をして「この怒りの奥にはどんな感情があるのか?」と自問自答してみると意外な感情が表れるかも知れません。特に人間関係を良好にするために感情のコントロールが出来るようになるとストレスを感じることが少なくなってきます。誰かに対してイライラしたときに、それを直接相手にぶつけると険悪な雰囲気に包まれてしまいますが、我慢をすれば自分自身にストレスがかかり病気にもなりかねません。そんなときにはイライラの奥にある自分の感情を見つめて、それを相手に伝えることが出来れば直接ぶつけられるよりも相手は受け取りやすくなり、険悪な雰囲気に包まれることもなく、言動や行動を改めてくれる確率が高くなります。

自分の内面を見つめる習慣がついてくると、いつの間にか過去に蓋をした感情がそれほど苦しいものとは感じなくなります。それは子供が母親に「もっと遊ぼう!」と駄々を捏ねるように、「もっとこっちを見て!」と暴れていた古い感情が、「ちゃんと見てくれた」と満足して大人しくなるためです。そうなると今までイライラしていたような状況になっても動じなくなります。

リラックスしているときには心の扉が開きやすいので自分の内面を見つめるにはバスタイムが一番おすすめです。心を落ち着けてその日あった嫌なことで自分は何を感じていたのかを探る練習をすると良いですよ。心の奥深くに隠した感情をどんどん解放して心も体もどんどん楽になっていってくださいね。