小杉治の『人生山あり、谷あり』PART.6~『湧いてくる』

新年第一弾は少し遅くなってしまいました。
皆さん、年明けのスタートはいかがでしたか?いい一年にしましょうね。
さて、今回のテーマは最近私が体験した不思議な感覚についてのお話です。それはたまにあるヤツの大型版でおそらく過去に一度くらいあったかなと言うクラスのものでした。

◆潜んでいる『意識』
アイディア発想法や成功哲学の本を読むと『潜在意識』と言う言葉が出てきますが、ご存知でしょうか?
本来人間の意識のどこかに入ってはいるのだけれど、本人も気に留めていなかったり忘れていることが、あるキッカケで『パッと』出てくるものです。つまり、『潜在=潜んでいる』ということですね。

分かりやすい例で言うと、私の本業の営業研修ではこんな風に教えています。
スマホ売り場でお客様に『何か気になる機能は有りますか?』と質問して『画面が大きい方がいいな』と言われれば、これはお客様の『顕在ニーズ』と言います。『明確に意識している』と言う事ですね。
ところが、『特にないなぁ』と言っていたお客様が話が進んでいくうちに、販売員の『お仕事が営業ですと外でかける時に雨などは気になりませんか?』という一言で『パッと』思い出し、『あ~そう言えばこの間仲間が水たまりに落としたよ』等となると、これは中々上手な販売ですね。

◆すべてを記憶する脳
前置きが長くなりましたが、『意識していなくても中に入っている』と言うことがお分かり頂けましたか?
脳は優秀で、『一度見たり聞いたりしたことは全て記憶している』そうです。ただ我々が全てをうまく引き出せないので忘れているように感じると言う訳です。と言う事は最近聞いた事でもずっと以前のものでもきっかけさえあれば思い出すと言う事になりませんか?

先日の体験では、私が20数年前に学んで研修で教えていたあるスキルが突然ありありと出てきたのです。それだけなら「そうなの」って話ですが実はそのスキルに自分なりのアレンジを加えて何回もモデルチェンジしたように殆ど原形をとどめていなかったから本人的には驚きです。

それが最近勉強した心理学とバチッと結びついてあまりの気持ち良さに懸命に考えているとそのスキルの記憶が過去へ過去へと遡りはじめたのです。そうなるともの凄い勢いで過去の記憶が出てきました。そうして、初めはここをアレンジしたんだ、この時の事例はこうだったなど気持ちが悪くなるほど鮮明に思い出してきたのです。丁度、何年も前の腐葉土の中にある葉っぱが一枚一枚剥がされていくように。

◆知識や経験がストックをつくる
単なる閃きと言うのを超えています。閃いて『あっ、いい事を思いついた』と言う事はたまにありますよね。それが今回はそこから始まってみるみる拡がりと言うか奥深くに入り込んできたのです。変な話、若造にはないんだろうなと思いました。年を取るのも悪くないな。蓄えたものが多いとこれからも何かあるなと心から楽しみになってきました。

別の表現を使えば、『吸い込んだ知識が眠っていたマグマと融合した』ということになるかもしれません。使い古されて使わなくなった休火山の知識と経験に新たな刺激が加わると、『それ』はやってくるのです。断っておきますが『死火山』なっていたら反応はしませんよ。学び続けている人へのプレゼントなんですからね。学んで無駄なことなど一つもないです。謙虚な気持ちで学んでいきましょうね。

 

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