ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.11~スリムな身体を作る基礎

ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.11~スリムな身体を作る基礎

クリスマス、お正月、忘年会、新年会と、何かと食べる飲むが多い年末年始。
必然的に体重は増えやすくなって、困りますよね……。
ですので今回は「スリムな身体を作る基礎」と題して、体重のコントロールに関する基礎をお伝えします。
基礎というよりも、「原理原則」に近いものなので、今回のお話はぜーーーったいに頭の中に入れておいてください!!
暗記するというものではありません。
「地球には重力がある」というレベルの原理原則の話です。

今回のテーマは「スリムな身体を作る基礎」と書きましたが、「ダイエット」とは書きませんでした。
ダイエットとは英語で「diet」と書き、食事のことを意味しますが、日本では「痩せる」というイメージが強く、この「痩せる」という言葉もどうも貧相なイメージがあるので、僕は「スリムになる」という、もっと前向きな言葉を使うようにしています。

では、その原理原則からお伝えします。
それは、
「人間は動物である」
です。
これがすべての大前提です。

「……は?」
ですよね。
これから説明します。

例えば町でハトを見ていると、彼らがやっていることはただ一つ。
常にエサを探しています。

他の動物も同じです。
牧場で牛を見ていると、食べてるか休んでいるか(寝ているか)がほとんどです。
外敵に襲われたり、環境や気候の変化でエサが確保できなくなる状況に備えて、常に食べ物を食べてエネルギー(カロリー)を確保し、休むことによってエネルギーの消耗を抑えています。

人間も全く一緒でした。
今ほど食べ物に豊かではなかった時代は、木の実や果物、野生の動物をエサとして追い求めることを日常としていたわけです。
しかし当然冬になるとエサは少なくなりますし、年によっては干ばつで食べ物が全然穫れなくなるなど、飢餓との戦いでもあったわけです。
人も動物なので、そういった飢餓の状況に備えて身体にエネルギー(カロリー)を貯め込むようにできています。
ここは大きなポイントです。
飢餓に備えてカロリーを貯めやすくなっているのは先祖代々の遺伝であり、動物としてあたりまえのことなのです。
ここから逃げることは絶対にできません。

それではどのようにカロリーを貯め込むのか?
それはみなさんご存知、脂肪です。ファットです。

ここでまた一つ大事なポイント。

エネルギーを貯め込むのは脂肪。
エネルギーを消費するのは筋肉。

このように大まかに覚えてください。

保健・体育か何かの授業で、「タンパク質は4kcal/g、脂肪は9kcal/g」というのを聞いたことがありませんか?
これは1gあたりのタンパク質は4kcal(キロカロリー)相当のエネルギーになるということですが、
脂肪は1gで9kcalとタンパク質の2倍以上のエネルギー(カロリー)を作り出す素になります。

また筋肉は身体の中でもっともエネルギーを消費する器官なので、
飢餓に備えてエネルギー(カロリー)を蓄えるなら、食べた物を筋肉として蓄えるよりも脂肪として蓄えた方が効率がいい、つまり生き延びられやすいということになるわけです。
ここ重要ですよ!

さて、それでは具体的にスリムになるための話に入っていきます。

ダイエット、つまり痩せようとするときに、一般的にはまず食事制限をしようとします。
つまりエネルギー(カロリー)を蓄えようとする行為をやめようとするわけです。

昨日まで食べていた量が今日になって急に減ると、身体は「あれ?食べ物の量が減ったぞ。エネルギーを温存しておかないと!」と生存本能的に認識し、エネルギーの消費をしない方向にもっていきます。

エネルギーを消費しないようするには、筋肉を減らすのがもっとも効率的ですよね。
つまり、単純に食事制限をすると、脂肪を減らすよりも筋肉を優先して減らそうとするわけです。

ここが一般的なダイエットの間違いやすいところなのです。
「食べるカロリーを減らせば身体の脂肪も減る!」と、多くの人は単純に考えていますが、
カロリー制限をすると優先して減っていくのは筋肉です。
脂肪は動物が飢餓に備えて生き延びるために生み出した知恵であり、最後の砦なので、身体は脂肪をそうやすやすと手放したくないのです。
それでは今度は数字で分かりやすく見ていきましょう。

Aさんが1日生きるために消費するカロリーが2,000kcalだとします。
Aさんが1日に食べるカロリーが2,000kcalだとしたら、
2,000kcal – 2,000kcal = 0kcal
で、カロリーの備蓄はありません。
つまり身体に脂肪はつきません。

それでは、1日に食べるカロリーを2,300kcalに増やしたとしましょう。
2,300kcal – 2,00kcal = 300kcal
となり、1日で300kcalを備蓄することになります。

この食事を1ヶ月30日間続けると、
300kcal × 30日 = 9,000kcal

となり、脂肪は1gあたり9kcalに相当するので、
9,000kcal ÷ 9kcal/g = 1,000g

つまり、1日300kcalオーバーの食事を1ヶ月続けると、脂肪が1kg増えるということになります。
難しくないですよね?

ということは、逆に300kcal減らして1,700kcalの食事にすれば、1ヶ月で脂肪1kg減らせるかというと、数字的にはそうなのですが、これがそう簡単にいかないのが動物の身体というものなんです。

Aさんは普段1日で2,000kcalを食べて2,000kcalを消費することで均衡がとれた身体なのに、身体に入ってくるカロリーが1,700kcalに減ると、エネルギーを温存しようと筋肉を減らし、消費するカロリーを減らそうとします。
明日すぐに1,700kcalを消費する身体になるわけではないですが、徐々に、1日に消費するカロリーを1,700kcalまで減らそうとするわけです。

しかしAさん、やっぱりもっと食べたい!ということで、もとの2,000kcalの食事に戻したとしましょう。
ところがAさんは1,700kcalのエネルギーしか消費しない身体になっているので、このまま2,000kcalの食事を食べたら、300kcalオーバーになってしまいます。
食事制限をして体重を減らしたあとに元の食事に戻したら、元の体型に戻るどころか、実はもっと太ってしまうんです。
これがみなさんよく耳にする「リバウンド」の恐怖です。

ここまでのお話は理解できましたでしょうか?

単純にカロリー制限をするだけのダイエットは、逆に脂肪を貯め込みやすく太りやすい身体にしてしまうという大きなリスクを孕(はら)んでいるのです。
これではスリムな身体を作ることはできません。
それではどうすればよいのか?

結論を言うと、そう「筋肉をつけること」です。

下の例を見てみましょう。

Bさん 体型はスリム
身長160cm 体重60kg 1日の摂取カロリーは2,500kcal

Cさん 体型はおデブ
身長160cm 体重60kg 1日の摂取カロリーは2,500kcal

BさんもCさんも身長、体重、食べてる量は一緒。
なのに体型が全然違う。
この違いは何か?

それは「筋肉量」と「体脂肪量」の違いです。
Bさんがスリムなのは、体重60kgに占める筋肉量が多く、体脂肪が少ない。
逆にCさんがおデブなのは、筋肉量が少なく、体脂肪が多いからです。

例えて言うと、「筋肉は鉄、脂肪は発泡スチロール」だと思ってください。
鉄1kgというと、手でつかめる鉄アレイ程度の大きさですが、発泡スチロール1kgというとどれくらいの大きさになるのか想像できないですよね。
たぶんかなり大きいです。
これは物体の比重のちがい、つまり体積あたりの重さが違うということです。
鉄は水より比重が重いため水に入れるとすぐに下に沈みますが、発泡スチロールは水より比重が軽いため水に浮きます。
これと全く同じで、筋肉量の多い人はプールで沈みやすいですが、体脂肪の多い人はプールで浮きやすいです。

そう、つまりスリムな身体になるためには、身体の脂肪(発泡スチロール)を取り除き、筋肉(鉄)をつけていけばよいのです。

普通ダイエットに取り組んでいる人は、体重が減った!増えた!の数字で一喜一憂しがちですが、これは大きな間違いです。
体重は目安の数字にしかなりえず、数字の変化で大事なのは「筋肉量」と「体脂肪率」です。

筋肉はエネルギーを消費する器官と言いましたが、筋肉がたくさんあるとそれだけ脂肪の燃焼もしやすい。

つまり、スリムな身体を作るにはカロリーコントロールと同時に筋肉をつける必要がある、ということです。

筋肉をつけるにはやはり運動が必要です。
それと同時に筋肉の素なるタンパク質を十分に摂る必要があります。
運動やタンパク質のお話をすると、また書くことがどんと増えてしまいますので今回はやめておきますが、カロリーコントロールをしながら筋肉をしっかりつけていくと、体重は減りにくいどころか、逆に増えてしまうことがあります。
なので焦ってしまうのですが、大事なのは体重ではなく、「筋肉量」と「体脂肪率」です。
今は「筋肉量」や「体脂肪率」を計測できる体重計が多いです。
これで測定をして、体重に変化がない、もしくは増えてしまったのに、「筋肉量」は増えて「体脂肪率」が減った、というのであれば、
それはスリムな身体に確実に近づいているということです。

今回抑えていただきたいのは、

●人間は動物であるということ
●人間は常に飢餓との戦いであったがゆえに、脂肪を蓄えやすく、取り除きにくい身体になっている
●スリムな身体になるには筋肉量を増やす

この3つです。
これらは私たち人間が生きていくうえでの原理原則なので、何か判断に迷ったときにこの原則に立ち返れば自ずと答えは見えてきます。

スリムな身体になるためには、栄養、運動、そして実は睡眠も重要になってきます。
次回以降、それぞれをテーマにしてポイントをお伝えしていきたいと思います。

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