神仏絵師のよろづ話:第五話「聖なる大天使ミカエル様 その大いなる魅力」

神仏絵師のよろづ話:第五話「聖なる大天使ミカエル様 その大いなる魅力」

こんにちわ。神仏絵師の昌克です。観音様、明王様などの日本の神仏や、天使様を描いております。ここでは、私が絵を描きながら学んだり、感じたこと、神仏の姿に隠されたメッセージなどを書いてまいります。

今回は、ちょうどクリスマスが掲載日となったので、大天使ミカエル様に登場していただきましょう。
キリスト教の中でも、カソリック教会では、特に人気が高く、数々の絵画や、像になってその姿が残されています。その人気の証が、欧米でよく見られる名前にも見ることができます。英語で「マイケル」、フランス語で「ミッシェル」、ドイツ語やロシア語で「ミハイル・ミハエル」は、すべてこの「ミカエル」から転じているのです。
しかし、これほど人気の高いミカエル様ですが、実は、9つあるとされている天使の階級では、下から2番目の階級に属しているのです。
では、なぜこのような位置にあるミカエル様にこれほどの人気があるのでしょう?
その秘密は、やはりその姿にあると思われます。多くの絵にあるのが、「剣と天秤」を持つ姿です。

「剣」は、悪を滅する者の象徴だとわかるのですが、「天秤」は、なんでしょう? 「天秤」とは、ミカエル様が「公正」さを測るためのものです。ミカエル様の像や、絵画が最も多く描かれた中世のヨーロッパでは、貴族による政治が行われ、まさに階級制度が全盛期とも言える不公平な社会でした。その中で、多くの人々は常に抑えられ、公正な世の中と言うのは、当時の人々の願いだったのではないでしょうか。そしてミカエルは、その公正さと力により、平等で平和な世の中へと導いてくれるシンボルであったように思います。

では、それだけでミカエル様の人気を証明できるのでしょうか? 時代背景を考えると、当時のキリスト教が、圧政に苦しむ人々を救っていたように考えられません。貴族による圧政に加担していたような歴史もございます。その「使い」でもある「天使」のミカエル様に、愛着が湧くだろうか?
そこで私は、土着の古代宗教に着目しました。キリスト教が布教される前から、ずっと人々を守っていた神々。そして、その神々を崇拝することを禁じられ、キリスト教への改宗を迫られた人々。しかし、人々は、「剣と天秤」を持った大天使ミカエル様の「正しき者のために戦う」姿を見て、自らを守り続けてくれた古の神々の姿を重ねて見ていたのではないでしょうか?
そう考えると、大天使ミカエル様の本当の魅力がわかったような気がするのです。

さて、今日はクリスマスですね。みなさんもたくさんのギフトを受けとることでしょう。でも、せっかくのクリスマスです。ギフトをあげることも考えてみませんか?
何も、大げさなことではありません。最近では、インターネットで様々なところへ寄付したりできますよね。中にはクリックするだけで、あなたに代わって企業が寄付を行ってくれるようなサイトもあります。
「受けとる」ことも大事ですが、「与える」ことの喜びを得ることも大事なことだと思います。このクリスマスでは、自分にできる何かを考えてみてはどうでしょう?

▼「第2回 神仏画展」開催予定
2013年7月11日(木)~16日(火)
吉祥寺第一ホテル1F ギャラリーK
http://www1.parkcity.ne.jp/am/shinbutsugaten/2013/

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