おから料理研究家 杉リンの 食とアロマで薬いらずPART.3~X’masと抗菌OIL~ 

おからとアロマをこよなく愛する杉リンが、植物が私たちの健康に与える偉大な働きを、おからとアロマからアプローチ。
今回は、そろそろ流行の兆しが現れはじめた風邪とインフルエンザ予防に効果的なアロマを紹介しましょう。

 

1、歴史上初のX’masプレゼントは抗菌植物だった

クリスマスが近づき、「彼氏に何を贈ろうか」と悩んでいる方も多いことでしょう。そして、この時期は、インフルエンザの流行の兆しも出始める時期。そんなあなたに今年の彼氏へのクリスマスプレゼントは、エッセンシャルオイルのミルラとフランキンセンスがオススメです。

これは、新約聖書に登場する、イエス・キリスト誕生の際に訪れた三賢者が贈ったとされるもの。三賢者は、没薬(ミルラ)と乳香(フランキンセンス)と黄金を贈り物として捧げたと書かれています。クリスマスプレゼントの由来はこの三賢者の贈り物という説もあるのです。

ミルラはその昔、ミイラの防腐処理に使われて、ミイラの語源と考えられており、聖書にも多数登場しています。現代では、抗感染症、抗ウィルス、抗炎症作用があることがわかっています。
フランキンセンスは紀元前40世紀のエジプトの古墳からも発掘され、数千年もの間、宗教的な儀式に用いられてきました。また、その治癒力は「人類が考えつくあらゆるすべての病気に使用されてきた」と言われるほど、古代においては金より価値があるものとされて、富を得たものだけが使用できました。現代では、感染症を防御する白血球の活動を促し、気管支炎や呼吸器感染、扁桃腺鵜炎などの抗炎症作用からうつ病や腫瘍にも効果的なことがわかっています。
いずれも、古代からお香として利用されてきました。

 

2、ほかにもあるある抗菌・抗ウィルス植物

現代では、この時期なると、インフルエンザのためのワクチンの接種をする方もいると思いますが、一本数千円も出してワクチンを打っても思わぬ副作用がないとも限りません。

植物は自分で芳香物質を作り出して、菌やウィルスから身を守ってきました。代表的なのはペパーミントの刺激成分メントール。また、優しそうなラベンダーのリナロールやレモングラスのシトラールなどなど、様々な植物の成分に抗菌・殺菌・抗ウィルス作用があります。この作用をうまく私たちの生活で活かすことができれば、ワクチンを打つことなく、風邪やインフルエンザから体を守ることできそうです。薬品の歴史はここ200年位。私たちは、先ほどのフランキンセンスやミルラをはじめ、古代から様々な植物が持つ作用を効果的に生活に取り入れてきました。中世以降現代においてはエッセンシャルオイルとして便利に使うことができるようになっています。

 

3、ペストに感染しなかった4人の泥棒

14世紀のヨーロッパで、ペストの大流行により全人口の3割が死亡したとされた時代のこと。フランスのある街で、ペスト患者の家や遺体から専門に財産を盗む4人の泥棒が捕まりました。この4人は独自のハーブをブレンドしたビネガーを作って体に塗り、ペスト感染しなかったと自供しました。そのレシピを教えるのと引き換えに4人は無罪放免となったそうです。

使われていたハーブは、クローブ、ローズマリー、シナモン、セージ、タイム、ミント、ラベンダーなどなど。これらを酢に漬けて体に塗っていたのです。フランスでは、このレシピを再現した「Vinaigre des quatre voleurs」というビネガーが販売されているそうです。
いずれのハーブも、抗菌殺菌抗ウィルス作用があるもの。これらをうまく使うと、これからの季節に役立ちそうですね。

 

4、「シーブス(泥棒)」という名のブレンドオイル

この泥棒たちが使っていたハーブのレシピを再現したアロマオイルがあります。その名も「シーブス(泥棒)」。
使っているのは、クローブ、レモン、シナモンパーク、ユーカリラディアータ、ローズマリー。
私はこのシーブスオイルをディフューザーで芳香して室内を殺菌しています。また、帰宅後には1滴両手に取り、手のひらで三回まわして広げ、その両手を鼻もとへ持ってゆき、ゆっくりと深く息を吸い込み、少し息を止め、香りが全身の細胞に行き渡るイメージをします。この時、体内の菌やウィルスがなくなり、体の不調も消えたと感じます。

また、足の裏は、エッセンシャルオイルを最も効率的に取り込むことができる部分。シーブスを足の裏に塗り、しばらく両手をそのまま添えて深く浸透させてあげるのもよいでしょう。
イエス・キリスト生誕の時に贈られたフランキンセンスやミルラを始め、このシーブスなどの抗菌抗ウィルスのエッセンシャルオイルを、こんな薀蓄を付けて今年のクリスマスプレゼントに贈ってみてはいかがでしょうか?

 

 

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