シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.3~「玄米で免疫力を高める」

世間一般では、発熱すると薬に頼りたがる人が多いようです。発熱するのは、ウィルスが身体に入り込むと体内の免疫が働き、ウィルスを阻止しようと戦うためです。それなのに、熱を下げようと薬を使ってしまうと、逆に免疫力が低下してウィルスにとって都合のいい環境になってしまいます。だから、よく薬を使いたがる人は風邪の症状が長引くことが多いようです。

風邪やインフルエンザに感染しやすい人は、普段の誤った食生活が元で免疫力が低下しています。その時点で早急に食生活を改善し、免疫力を高める食事を取り入れるべきです。現代は、動物性食品や動植物性油脂類、化学調味料や食品添加物を多く摂る傾向にありますが、これらは血液の流れを悪くし、人間が生きるために重要なホルモンの分泌にも悪影響を与える食品です。

人間の体内には、自然治癒力の元といわれる物質「インターフェロン」が存在します。ウィルスが体内に侵入すると、細胞からたんぱく質の一種であるこの物質を分泌して細胞がウィルスに感染するのを防ぎます。この防衛システムを最大限に生かすことで、薬に頼らずとも安全で理想的に健康を維持することができます。

この物質がうまく働くようにさせるには、日頃の食生活が重要になります。まず、自然食で血液を弱アルカリ性に保つように心がけることをおすすめします。それには、玄米を主食とし、身体を温める働きがある根菜類(大根・人参・ゴボウ・レンコン)や海藻類、ぬか漬けを少々、味噌汁を毎日の食事に取り入れるようにすると効果があります。

生野菜や果物がいいからと多く食べるのは、低体温を招いて免疫力を低下させる恐れがあるので注意。生野菜よりは温野菜、できれば長時間煮込んだ根菜類や海藻を摂るようにすると免疫力・自然治癒力を高めることができます。

 



古代米と雑穀(ひえ・あわ・きび)を入れて炊いた玄米ご飯
昔から、玄米は自然治癒力を高め、病を治す力があるといわれてきました。しかし、炊き方を理解している人が少なかったこともあり、時代とともに短時間で炊ける白米になっていったようです。それでも、昔の精米機だと5分づき程度だったので、ある程度の栄養素は摂ることができました。ところが、現代は完全に精白米にすることができるため、主食である米からは重要な栄養素を摂ることができなくなっています。

ミネラルやビタミン、腸内を掃除してくれる食物繊維を多く含む玄米。おいしい玄米を食べたいと思ったら、無農薬、有機栽培、無化学肥料、天日干しのものがおすすめ。炊く時は、梅干1個と一緒に二枚蓋の土鍋でじっくりと炊くと、栄養素の吸収率が高まり、甘味も増しておいしく出来上がります。

▼土鍋で炊く玄米ご飯レシピ
http://yoboso.fiw-web.net/genmai.htm

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