ココロセラピストが教える!「自信」とは?~自信のルーツは防衛本能~

僕のところにご相談に来られる方の殆どの方が、セッションの数分以内にこうおっしゃいます。「私、自信が無いんです……」と。

僕も以前は、態度こそ大きいですが(?)、自信が無いタイプの人間でした。何に対しても、ビクビクしたり、オドオドしたりしていました。これって、よくよく考えると、なかなか厄介だったりしますよね。自信が無いという事は、前に進みづらい壁を自分で作りだしてるわけですから。人によっては、この壁の事をマインドブロックと言います。なかなか面白い表現ですよね。自分でブロックを積み上げて壁を作ってしまって先に進めないイメージがリアルに浮かんできます。

ただよくよく考えると、「自信が無いとい」という表現は厳密にはあまり良い表現ではないと僕は思っています。そもそも、その概念は自分自身を守るためにできるだけリスクを回避しようと言う本能なのです。
もしこの本能がマヒしていたらどうでしょうか。赤信号で車がビュンビュン走っているのに、道路を渡りたいから躊躇わず信号無視をして渡るようなものです。これでは毎日事故が多発して、とんでもない事になってしまいます。
あなたは大丈夫だと思いますが、たとえばギャンブルで、この本能がマヒしていたらどうでしょう。何も恐れず、所持金をどんどんつぎ込んだら。うまくいけば一攫千金ですが、殆どの場合が痛い目を見ると思います。これは大変な事です。

これを自信という言葉に置き換えてみると、自信満々でリスクの高いものに深く考えず向かって行くと危険度が増してしまうと言う事ですよね。だとしたら、そんな自信なら無い方が良いとも言えませんか。自信が無くて良い事もあると言う事ですね。

「TATSUMIさん。ちょっと待って下さい。そもそも、赤信号の話もギャンブルの話も、自信とは関係ないじゃないですか。自信があろうとなかろうと、常識人はそんな危険な真似はしませんよ」と、言われそうですね。よく読んで下さっていてとても嬉しいです。疑問を持つ事はとても素晴らしいと思います。だからこそ、もう少し掘り下げて一緒に学んでいきましょう。

確かに赤信号の話もギャンブルの話も厳密には100%自信の話と関係があるとは言い切れません。何故ならそれは、あたり前、つまり頭の中にインプットされていて意図的に習慣化されているからです。自信があろうとなかろうと、やらないものはやらないのです。

では、恋愛や仕事ではどうでしょう。やっぱり「自信が無いからイケメンには声がかけられない……」「自信が無いから時給の高そうな会社には面接に行けない…」と思う人が多いと思います。これらのケースと赤信号やギャンブルとの決定的な違いは必ずしも<意図的>に習慣化しているわけではないということです。

つまり、「自信が無い」というのは自己防衛機制の本能的反応を冷静に分析せずに先入観や思い込みでリスクを現実以上に高く解釈してしまうこととも言えるかもしれません。もしリスクに対して冷静に考えれば、リスクが本当に高いのかどうかを見極められるようになって来ると思います。

「自信の有無」という概念を「リスクの程度問題」という概念に置き換えて考えると、新しい視点が見えてくると思います。自信のルーツが防衛本能であることは先程説明しました。そして必ずしも自信満々ならそれで良いかというと必ずしもそうではないと言う事も説明しました。大事なのは、安易に自分の精神力の強弱に結びつけるのではなく、リスクに対する冷静な判断力と思考力を持つことです。

もし「私、自信が無くて…」という気持ちになったら、具体的リスクの正体を意識する習慣をつけてみてください。不安や恐怖の正体を見極めると、気持ちも変わって来ます。そして、あなたの直感も大事にして下さい。

これらを意識して習慣化することで「自信がない人生」から解放され、あなたの世界はぐっと広がって来ることでしょう。

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