口腔からできる5つのコントロール PART.2~健康にも影響を及ぼす「フローラのコントロール」①

今日はフローラのコントロールのお話です。
フローラとは細菌叢のことです 細菌の割合のことですね。

皮膚の表面は 表皮ブドウ球菌という善玉菌で覆われています。これを消毒してしまったり、洗いすぎると、表皮ブドウ球菌が剥がれ皮膚がガサガサになってしまいます。善玉菌に覆われているから、免疫が正常に働きます。禿げ山より草木がはえていたほうが、水分が保たれ、土壌は良い状態に保たれます。その草木がお花畑であれば雑草は育ちにくくなります。自然な状態では最適な植物が育つようになっています。皮膚の表面も同じで、良い状態では良い細菌が育ち、良い割合になります。
良いフローラになるわけですね。
善玉菌が多ければ悪玉菌は育ちにくくなります。どぶ川にはドブネズミがすみ ゴキブリやウジ虫がよってきます。蚊やハエが病原菌を運んでくるのです。小川には水草と水苔が生え、メダカや水鳥がきます。ドブネズミは住むことができません。

小川が自然な状態でどぶ川が人工的なものです。どぶ川を小川に戻してあげれば、ドブネズミは住みにくくなるのですが、突貫工事をして側溝をつくってもそこにはドブネズミは住み着いてしまいます。
身体の表面も内側も同じで 自然な状態でコントロールすれば、フローラは良くなっていきます。
口腔という身体の入り口のフローラを安定させることで身体全体のフローラが安定します。口腔という上流が汚いのに、肺や胃腸だけが善玉菌が多くなるなんて有り得ません。乳酸菌は善玉の腸内細菌ですが、口腔内が汚ければ、そして胃腸の土壌が悪ければ、そんなものは定着しません。どぶ川にメダカや水苔は育たないのです。

口腔内フローラを安定させるにはどうしたら良いのでしょうか?

それには機械的な掃除ですね。どぶ川を洗剤で洗ったら、どぶ川はますます汚染されてしまいます。歯磨き粉やシャンプーは、身体にとって良いものではありません。
多くが、石油系の界面活性剤が含まれ。歯磨き剤の場合は、歯を削る研磨剤が含まれています。基本的に歯磨き剤やシャンプーは使いたくない。しかし、使わなければ汚れが落ちにくい。汚れの害と界面活性剤の害の、どちらを取るかなんですね。

歯磨き剤なんて使わなくても、しっかり磨くことができて、綺麗になるのが理想的ですが、やっぱり使ったほうが綺麗になります。だったら、悪影響を取除くために、歯磨き剤もシャンプーも良くすすぐことが大切になります。

歯磨き剤を使うのは一日一回、それも朝起きた時が良いでしょう。歯磨き剤が口のなかに残らないようにするには、その後で食事をするのが良いのです。

歯磨きは、「プラーク=歯垢=細菌のかたまり」を取り除くことです。
細菌が無いのも良くないのですが 増えすぎるのも良くありません。夜は唾液の分泌が減るので、朝起きた時の口のなかは細菌が増えすぎています。それを取除くのがプラークコントロールです。決して食べかすをとることがプラークコントロールではありません。

歯磨き剤を少量使って、良く口のなかを磨き、良くすすぎ、もう一度か二度、歯磨き粉を使わないで歯を磨きよくすすぎます。そうすることによって 口の中は唾液に満たされます。

決して、消毒薬の入ったうがい剤は使わないようにしましょう!口腔内の善玉菌も皆殺しになってしまいます。皆殺しの後は悪玉菌が育ちやすくなります。口の中も身体も清潔にすると、90%以上の菌は除去されます。残った数%の善玉菌が増殖し、粘膜や皮膚を良い状態にします。

目に異物が入ると、アレルギー反応で目ヤニが出ます。口に異物が残り、アレルギー反応がでると、プラークが出やすくなります。歯磨き剤は異物であり、口のなかに残るとアレルギー反応が出る可能性が十分あります。
アレルギー反応は口腔内のpHを下げます。口のなかのpH検査をすると、pHが歯が溶けるといわれているpH5を下回る人がいます。

食後30分以内であれば仕方が無いことですが、普段からpHが5を下回る方は、歯磨き剤のアレルギーの可能性があります。そういった方は、皮肉なことに歯磨き剤で歯を磨けば磨くほど 口の中がネバネバして虫歯になりやすくなり、咽頭にウイルスが付きやすく、風邪も引きやすくなります。

また、肺や胃腸で悪玉菌が育ちやすく、病気になりやすくなります。
老人の肺炎の原因菌は口腔内から入ってきますし、心内膜炎の原因菌も、胃のピロリ菌も、口腔内から身体のなかに入ってくるのです。

~つづく~

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