口腔からできる5つのコントロール PART.1~筋肉のしくみとは?「筋肉のコントロール」

今回Trinity WEBで連載を開始することになりました、歯科医師であり、さとう式リンパケアを考案した佐藤青児です。
これからリンパケアを中心に、皆さんの役に立つ情報をご紹介していきますのでよろしくお願いします。

まずは、「5つのコントロール」の話から始めます。
ご紹介するコントロールは以下の5つ。

筋肉のコントロール
フローラのコントロール
呼吸のコントロール
言葉のコントロール
食事のコントロール

今回は、まずは筋肉のコントロールから始めましょう。

人間の身体は筒状になっており、それを構成する「筋肉」「骨」「膜」で連携してバランスをとり 袋状の筒をつくって立っています。
その「筒」=「腔」を、入り口である口腔(咽頭腔鼻腔を含む)からコントロールしていきましょうというのが、「さとう式(間質)リンパケア」です。
「口腔を扱う」。だから歯医者なんですね。

重い頭をささえているのは 口腔です。
背骨じゃないんですね。背骨の後ろの筋肉でもありません。

首の前の筒で支えている筒の前壁は、「背骨+背骨の後ろの筋肉」に対応するくらい強い筋肉です。舌骨上筋群下筋群という筋肉で 頭を支えているんです。
筋肉は強い筋肉と弱い筋肉が連携しています。協力して身体を支えているんです。ところが連携がうまくいかないと 支えるのに力がかかってしまうんです。

縦長のものが立つのにもっとも大切なのがバランスです。
コカコーラでも五重の塔でもスカイツリーでもバランスを崩したら立っていることはできません。
バランスが悪いと身体の弱いところに歪みがでて引っ張られて痛みがでます。関節や関節周辺の筋膜がパンパンに張っているんですね。

筋力が弱いから 立てないのではなくバランスがとれないから立てないのです。バランスがとれていないから 痛いんです。
その筋緊張の連携 バランスをどこからとっていくかというと咀嚼筋なんですね。 靴ひもをほどくように口腔の筋をゆるめ連携をとっていく。
それぞれの筋肉が勝手に 身体を支えていたのに口腔から胸腔へ胸腔から腹腔へ 連携をとって筒をつくっていくわけです。

巾着袋を開くように 入り口を開かないかぎり絶対に袋は広がらないんですね。
筋肉は連携している、協力して身体を支えています。
強い筋肉が「疲れた」からといって、縮むと 弱い筋肉は引っ張られて悲鳴を上げのです。

筋肉が持続的に縮むことが疲労であり老化であり緊張です。疲労・老化・緊張では、身体はバランスをとれなくなります。これを改善させるには、バランスをとりながら 筋肉と筋肉を連携させながら筋肉を弛緩させていきます。これがさとう式(間質)リンパケアなのです。

筋肉が持続的に縮み、硬くなっている凝りに対して、揉む・押す・引っ張ることは、細胞レベルでも筋膜を破壊し、筋肉を柔らかくしますが、それは再生されスジスジのゴリゴリになってしまいます。

ますます硬くなるだけではく、筋肉の連携を無視し、ますますバランスが悪くなります。
間質リンパのポンプはされずに酸化物が処理されず、疲労がたまり、むくみます。そして細胞を攻撃し、免疫力が落ち、病気になってしまいます。

姿勢が悪くなり、胸郭が潰れて呼吸が浅くなり、交感神経優位になりさらに筋緊張を誘導して胸郭がさらに潰れ、呼吸はさらに浅くなります。すると、ますますバランスが悪くなり、凝りが増していくのです。

高まった交換神経に拮抗するために、副交感神経を優位にしようとして、「食べる→太る」という状況になってしまい、さらに健康を害してしまいます。

筋肉の緊張が頭蓋骨を圧迫され、筋緊張性頭痛なります。
首周辺の筋肉の凝りによって、体液が首から下に流れにくくなり、ズキズキ頭が痛くなり、偏頭痛になります。

間質リンパが流れないために、免疫システムがエラーをおこし、自分の身体を攻撃するのです。アレルギー、自己免疫疾患などの症状を招きます。

頭痛薬 アレルギー抑制剤などは、人間の機能(免疫システムや熱産生システム)そのものを抑制する薬であり、それによって症状をやわらげます。

私は薬を否定しているのではありません。必要な薬は使うべです。ただ、不必要な薬は使うべきではないと思うのです。
筋の緊張はバランスを崩し、間質リンパの流れを悪化させ、あらゆる疾病を引き起こして老化させ、死にむかわせてしまうのです。