おから料理研究家・杉リンの 食とアロマで薬いらずPART.2~生姜とおから料理~

おからとアロマをこよなく愛する杉リンが、植物が私たちの健康に与える偉大な働きを、おからとアロマからアプローチ。
今回は、これからの季節にありがたい生姜とおから料理を紹介します。

 

1、生姜の思い出

これからの寒い季節に体をポカポカにしてくれる生姜。私には忘れられない生姜の思い出があります。

それは、北海道でラジオの番組を作っていた時のこと。「生姜ラーメン」なるものを提供するお店があり、麺に生姜が練り込まれ、どんぶりには山盛りのすり下ろし生姜が盛りつけられた上に、テーブルには「ご自由にどうぞ」と書かれたすり下ろし生姜が置かれていました。ラーメンに生姜は合うだろうけど、こんなに生姜ばかりでは辛くて口の中がたいへんなことになり、味も苦いのではないかと思い、それをレポーターに体験させるために中継に出かけたのでした。

ところが予想は見事に外れ、辛いどころか大量の生姜を食べているとは思えないほどとてもまろやかで、体は芯からポッカポカとなり、生姜の美味しさとその効能を体感したのでした。

 

2、生姜の効能

生姜には体をポカポカにする作用と、もうひとつ殺菌効果がありますね。どちらもこれからの季節にはありがたい効能。
これは、生姜に含まれるジンゲロールとショウガオールの作用。
生の生姜に多く含まれるジンゲロールの方が辛みが強く、殺菌効果も強いので、昔からお刺身には生の生姜が使われたのでしょう。また抹消血管を広げ、表面から体を温める効果があります。そして加熱や乾燥でショウガオールに変わるのです。
ショウガオールは、胃腸を刺激して体の中から血行を良くしてくれるので、生姜は両方から体をポカポカにしてくれるのです。そして熱を加えたり乾燥させることで、味はまろやかとなり、より体の芯から温めてくれるようになるわけです。
更に生姜には抗炎症効果と抗がん効果も認められ、生姜で体をポカポカにすると良いことがたくさんあるのです。

 

3、ジンジャーのアロマオイル

科学的に効能がわかってきた生姜は、昔から世界各地で健康に役立てられてきました。
インドでは2500年も前から生姜は薬として使われ、また中国では漢方薬の半数に使われてると言われており、乾燥した生姜と生の生姜を使い分けています。西アフリカのセネガルでは、男性の性的能力を回復させるためにご婦人たちがジンジャーの根でベルトを編んでいました。
ヨーロッパに伝わりハーブとしてお茶やお菓子などにも使われてきましたが、アロマオイルとしてもジンジャーは利用されてきました。
ジンジャーのアロマオイルには、消化の促進、強壮作用、鎮痛作用、去痰作用のほか、抗炎症作用があると言われています。
室内でディフューズすることで室内の殺菌効果があり、風邪やインフルエンザ対策にも役立ちます。またお風呂にも塩に混ぜお湯に溶かして入ると体の芯からポカポカになり、冷たくなった指先や足先などに塗ると抹消血管は血行がよくなり、さらに料理に使うと胃腸を刺激して、体の芯から温めてくれます。

 

4、アロマオイルを料理に使おう!

生姜を料理に使うには、皮は剥きづらいし、すり下ろすのも面倒で、使わないで冷蔵庫に忘れるとカピカピなったりたいへんですが、飲用可能なアロマオイルを使えば、便利な上に生姜のエキスが濃縮でその効能を効果的に受けることができます。
そこで、おから料理研究家杉リンから、アロマオイルを上手に使えるおから料理を紹介しましょう。それは大分県の郷土料理の「きらすまめし」というおから料理。
これは、マグロやハマチなどのお刺身を長ネギのみじん切りとおからを混ぜに、生姜やシソを合わせて、醤油やつゆの素で味をつけて最後にカボスを絞るというおからを最も簡単に食べられる料理です。生姜の殺菌効果で魚の生臭さはなく、おからのたんぱく質とネギと生姜の薬効成分で元気が出て体はポカポカとなるのです。
生姜の代わりにジンジャーのアロマオイルと、カボスの代わりにレモンのアロマオイルを使うことで、簡単に美味しくそして高濃度で取ることができます。

これからの季節、ご家庭に一本ジンジャーのアロマオイルを置いて、健やかな冬をお過ごしください。

 

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