シェフ佐藤の食と自然治癒力PART.2~「食品・食材を全体で捉える」

ここ数年、テレビや新聞、雑誌等で、栄養素だけを強調して商品を売ろうとする傾向があります。例えば、売る側は「ビタミンやカルシウムが豊富です。」といった感じでフルーツや乳製品を宣伝し、買う側は疑いもなく、身体にいいと判断して買う傾向にあるようです。ここで間違えてはいけないのは、ビタミンやカルシウムが豊富だから身体にいいと判断してしまうことです。これらは、食品のほんの一部の栄養素にしかすぎません。
健康志向が高くなった現代、健康を意識して健康食品やサプリメントを摂る人が増えているようですが、中には有効な栄養素だからと過剰に摂取している人がいます。これでは、健康になるつもりが逆に身体に負担をかけてしまう場合があります。人間の身体は、一部の栄養素だけを過剰に摂取したからよくなるというような単純なものではありません。

この世の中のものすべてには、必ず長所と短所があります。例えば、果物には確かにビタミンCが含まれていますが、それ以上に果糖やショ糖という身体に負担をかけるものが含まれています。過剰摂取は、肥満や低体温、骨粗鬆症を引き起こす恐れがあります。牛乳にはカルシウムが含まれていますが、高脂肪・高たんぱくなので、身体に負担をかけてしまう食品です。特に日本人は、乳糖分解する酵素を多く持たないので、本来身体に合わない牛乳を飲むと下痢をしてしまう人が多いのです。また、牛乳や乳製品を摂ると、気管支が詰まりやすくなるので、喘息持ちの人や鼻が詰まりやすい人は避けるべきです。このように、食品・食材が持つリスクを考えながら食生活に取り入れることが健康維持へとつながります。

今回の連載を読んで納得できる人は「この食品にはレモン○○個分のビタミンが含まれている。」とか「この食品は食物繊維、イソフラボン、コラーゲンが豊富」といった唄い文句がきっと疑問に思えることでしょう。

 

根菜の健康煮しめ
土鍋にゴボウ、人参、昆布、梅干数個と自然水を入れて長時間煮込むことで、根菜が持つ多糖類が単糖化し、甘味が出る料理です。写真は100時間煮たものです。根菜や昆布は、あんずのような甘さに仕上がります。この煮しめは、最低20時間は煮込まないと独特の甘味が出ません。

根菜は、煮れば煮るほど身体を温める働きが増します。ただし、砂糖やみりんを使ってしまうと、その効果は薄れてしまいます。

ゴボウ、人参、大根、レンコン以外の野菜は、煮込んでも身体を温める効果はさほどありません。寒くなるこれからの時期、食材が持つ長所・短所を組み合わせて毎日の食事に取り入れることをおすすめします。

▼詳しいレシピは下記まで
http://ameblo.jp/szato/entry-10550618208.html

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