ブータンしあわせ便り第19稿「て」~「寺」チベット経典や仏像が現存する~

ブータンに行けば必ず立ち寄る場所は寺院です。よくツアーで組み込まれているタクツアン寺院はブータン人も一緒に一度は訪れたい寺院です。
タクツアン寺院までは片道約1時間半の山道を登ります。これは結構ハードで、私が参加したツアーでも参加者の半分の人だけが参加しました。
けれどこのタクツアン寺院、中に入ると本当に圧巻で、写真は撮れないので、なかなか言葉でお伝えすることが難しいのですが、すばらしい世界が広がっています。ブータン人が仏像様に寄せる思いをそこにみることができ、それはそれは壮大です。
仏像様がとってもきらびやかで、大きい!10ほどの部屋があり、すべて回るには結構時間がかかりますが、どうせなら、一度の拝観で全部回れるぐらいの時間を確保した方がいいと思います。実際に床下には即身仏になられた方の洞穴があったりして・・・すごい。

ブータンはチベット仏教です。チベットから逃れてきたお坊さんたちが最初にブータンを築いたともいわれていますが、さまざまなものが破壊されたチベット仏教において、経典や仏像などが当時のまま現存しているのは世界ではブータンしかないといわれています。しかし、ブータンではまだまだ保存にかける費用がなく、火災などで貴重な経典が今年もたくさん焼失してしまいました。その保存活動にも日本人が携わっていたりします。日本のお寺を拝観すると、本当にすばらしく仏像様や美術品、経典などが保存、整備されています。ブータンに行くと、小さな寺院では、なんだかロッカーの棚みたいなところに置かれていたり、また大きな寺院にいくと、秘密のお部屋があって(一般公開はほとんどありません)、ものすごい秘仏が並べられていたりします。一度、首都にある秘仏のお部屋に行きましたが、何千という金色の仏像様のお部屋には、本当に圧倒されました。

ブータンには本当にたくさんの寺院があります。観光客は寺院は許可がないと入れません。許可はビザを入手する前の旅程表の提出の際に、一緒に申請します。ときどき田舎に行くと、許可がなくても飛び込みでいくと、「いいですよ~」みたいな感じで入れてくれるところもあります。そしてまだ外国人が入ることができない寺院がたくさんあります。許可が出されていない人の方が多いです。

そして旅をするとバスの中からたくさんのマニ車(水にお経を読まんでいただく)やトルン(風にお経を読んでいただく)が見られます。寺院の絵画もとても美しく、私は特に、宇宙図というものに魅せられました。本当にきれいです。
首都でこの宇宙図を入手しようとしましたが、とても高価!(小さなもので3万円ぐらいから)で断念しました。
ペンダントトップなども売られていますが、宗教に関するものはとても高価です。信仰が深いブータンの年配者はお金をためてそういったものを買います。

ブータンって物価が安いんじゃあ?と思われている方もおもわれるかもしれませんが、近年物価は上昇していて、私が2年前にいったときよりも同じものは二倍になっていることもあります。また人件費はインドの八倍といわれており、首都のカフェなどに行くとランチでも300円ぐらいからなので、近隣諸国に比べると、物価は高いです。ですからお土産屋さんなんかにいくと、意外と高いな~なんて思われる方も多いと思います。

ブータンにはタクツアン寺院以外にブムタン地方に聖地があります。
この聖地は深さ7メートルの淵ですが、火を持ったまま淵に飛び込んだ僧侶が経典を持って陸に上がり、その火がついたままだったという伝説があり、「大切なことをお願いする場所」になっています。

私は友達と訪れましたが、たくさんのトルンが風に揺れ、とても澄んだ、神聖な場所だった記憶があります。
ここは知る人ぞ知る聖地です。訪れる機会がありましたら、素敵なお願いをしてはどうでしょうか?
そのほか、子供が授かるお寺などなどいろいろなお寺がありますが、必ずお礼参りをしなければならないので、ちょっと大変かもしれません。

これから寒い地方のお寺は厳しい季節を迎えます。僧侶たちはどんな修行に励むのでしょうか。ブータンでは一家に一人、お坊さんを出せば素晴らしいという考え方があるので、小さな小坊主くんたちがたくさんお寺で修行しています。寒い中での修行に負けないでね!

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