菅原千春のスピリチュアル・ライフ PART.1〜ハロウィンの由来とケルト民族〜

2012年も残すところ2ヶ月あまりとなりました。

アメリカはハロウィンの季節です。

この時期になると、家の玄関前や庭先、家の中にもハロウィンの飾り付けが施されます。

ハロウィンは元々ケルト民族の年の終わり、10月/11月の 太陽周期に合せた「Samhain」(サムハイン(死の神/夏の終わりの意)と言う祝日が起源と言われています。11月1日はケルトの新年にあたり、新しい年と冬を迎えるお祭りで、この日はあの世とこの世の境がなくなり、夜には死者の魂が家に帰ると信じられており、家々にロウソクの火を灯し死者の霊を迎えたと言われています。日本のお盆と同じですね。また、悪霊が人々を怖がらせたり、いたずらをしないように、顔を白や黒に塗り身を守ったと言い伝えられています。それが、現在のハロウィンの仮装へと発展したようですね。

ケルト民族は巨石信仰、樹木や自然を信仰の対象とした自然崇拝で独特な価値観を持った民族だったそうで、その歴史は古く紀元前200年前頃と推定されています。

ケルトは水も異界に属するものと信じられ、聖なる泉や井戸、川、湖にはそれぞれ女神がいるとされ、その水は「病を治す」と人々は信じていたようです。人々の霊魂も不滅で輪廻転生すると信じられており、多神数と言うことからも日本の宗教観と共通するものも多く、自然との一体化を最重視し、動物、水、石など自然界にあるものすべてに自分たちと同じいのちを感じ、敬った彼らの生き方は世界中のネイティブたちの生き方に共通していますね。

文字を持たないケルト民族の歴史は口承文化で、美術や音楽などのかたちで残されているものから、その思想を垣間みることが出来ます。例えば美術作品は曖昧な動きのあるものが特徴で、これは立体的な形のものも幾何学的なパターン構成を表現したものにも同じように見られます。それはまるで宇宙サイクルの根本のような不断の動き、「生」を表現しているかのよう。音楽も螺旋を描くような波動のゆったりとしたリズムと曖昧さが特徴的です。

異界を信じ自然と共存し、変化を当り前とした普遍性と自由の両立を目指した彼らの生き方に思いを馳せると言うハロウィンの過ごし方もなかなかスピリチュアルでいいかも知れませんね。

ハロウィンに欠かせないグッズにキャンドルがあります。キャンドルの炎には独特なゆらぎがあり、見つめることでリラックス効果が得られます。香りのあるアロマキャンドルも五感を刺激しますね。秋の夜長にロマンティックなキャンドルナイトを楽しむのもいいですね。

アメリカでは子供から大人まで、みんなが様々なコスチュームを身にまとい、この年に一度の祭典を楽しみます。子どもたちはドレスアップ、または怖い扮装をして「お菓子をくれないといたずらするよ!」(トリックオアトリート)と言いながら、たくさんのキャンディーをもらうためにご近所の住宅を練り歩きます。ショッピングモールや都市によっては空港でもトリックオアトリートやパレード、コスチュームコンテストなどのイベントが開催されます。

さて我が家のハロウィン、今年も大きなかぼちゃをカービングしてジャコランタン(Jack-o’-Lantern)を作り、ハロウィン当日の夜はキャンドルを灯します。ジャコランタンの蓋の部分にクローブやシナモンなどの香辛料を刺して、スパイスの香りも一緒に楽しみます。

楽しく安全なハロウィンを!Have a Happy Halloween!

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