アンガーマネジメント Vol.1「あなたを怒らせているのは誰?」

今日も言うことを聞かない子どもにイライラ、パートナーとは喧嘩ばかり、会社の上司の理不尽な小言にはもうウンザリ。順番を抜かして電車に乗り込む無神経な人にムカつく!

誰しも少なからず、こういった「怒り」の感情を抱えています。自分が怒りっぽくて、どうにかしたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
でも「怒り」という感情そのものは、「喜び」や「悲しみ」と同様に、人間であれば誰もが持っている自然な感情です。
でも、あなたは「怒り」に自分を振り回されていませんか?

アンガーマネジメント(anger management)とは、怒りに振り回されるのではなく、自分で「怒りをマネジメントする」テクニックです。

では、ここで質問。

「あなたを怒らせているのは、誰ですか」

どうでしょう。
その人がここに居る訳でもないのに、考えただけで鼓動が早くなったり、ムカムカした気持ちが湧いてきたりしませんか?

勘のいい方は既にお気づきかと思います。
あなたを怒らせている正体。
それは「あなた自身」です。

「違う!」と咄嗟に反応した方はいませんか?
でも、よく考えてみて下さい。
誰もあなたに、喜んでくれ、悲しんでくれ、怒ってくれとは頼んでいません。

「あなたを怒らせているのは、あなた自身」
この言葉に反発する方は、自分の感情の主導権を他人に渡していることになります。

「アイツのせいで」
「こんなことのせいで」
と、ついつい自分以外の人や出来事に原因を追求したくなりますが、それは自分の感情を他人や出来事にコントロールされているということ。
あなたの目の前にあるのは、特定の出来事や人であって、それをどう捉えるかはあなた次第なのです。

円錐形も、下から見るのと、上から見るのと、横から見るのとでは形が変わりますよね。
怒りのマネジメントもそれと全く同じ。
相手や出来事を変えようとするのではなく、軸はあなた自身の心に置いて下さい。

人の心を変えようとするのは、過去を変えようとするのと同じ位難しいことです。そこにエネルギーを使うよりも、自分自身の心の在りようを変えましょう。

では、次に怒りの第一の特性をお伝えします。
そのために、もう一度先ほどの質問に戻りましょう。

「あなたを怒らせているのは、誰ですか」

おそらく多くの方は、夫、妻、親、子ども、恋人と言った身近な人を挙げたのではないでしょうか。
それにはきちんとした理由があります。

怒りは、身近な人に向かいやすい特性があります。
親なら、子どもなら、パートナーなら私の気持ちを分かってくれて当然。
強くしつこく言えば、相手の行動や価値観を変えられるに違いない。
私たちは身近な人ほど、自分で彼らをコントロールできると思ってしまうのです。でもその期待が裏切られるから、余計頭にくる。

「どうしてこの人は、こんなに傍にいるのに私の気持ちを分かってくれないの?」「どうして自分の子どもなのに、親の言うことを全然聞いてくれないんだろう?」
そして感情の糸がもつれてしまい、いざ相手に自分の気持ちを伝えようとすると、いろいろな出来事を全て混ぜ込んでしまって、結局何を言いたかったのか分からなくなってしまいます。

身近な存在とは対称的に、例えば、今度消費税が上がりますが、そのニュースを聞いて血管が切れそうになるくらい怒鳴ったり、物を投げたりする人はいるでしょうか。
おそらくいないですよね。
それは、「自分がキレた所で、その事実は変えられない」と理性的に判断しているからです。

でも、消費税の増税と同じ位、更には天気を変えるのと同じ位、他人の価値観や行動を変えるのは難しいんです。

私たちは出来事や他人は変えられません。
でも、自分の感情だけは100%コントロールできます。

せっかくの人生です。
他人や出来事に、自分の感情の主導権を渡すのは悔しくありませんか?
自分でしっかりと運転席に座り、感情というハンドルを操って下さい。

次回より、具体的なアンガーマネジメントテクニック、不安や恐怖のコントロールテクニックをご紹介していきます。

【今日のまとめ】
・他人や出来事は変えられないが、自分の感情は自分で選べる
・怒りは身近な人にほど、向かいやすい。

 

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