ライフスタイルデザイナー高橋克彰の“ウェルネスのセンスを磨く” PART.5~健康でお金をつくる?~

3回目と4回目で、「経済格差 = 健康格差」という内容を取り上げました。

ここで、みなさんはどのように考えたでしょうか?
「お金さえあれば、健康にお金を使える」と考えた人も多いのではないでしょうか?
おそらく多くの人は、「経済格差 → 健康格差」と思っています。

これは決して間違いではありませんが、正しいのは「経済格差 = 健康格差」です。
確かに、経済的に余裕があれば、ジムに通ったり、サプリメントを買ったり、食材をオーガニックにしたりと、健康に対して投資をすることができるようになります。
ただし、それだけでは視野が狭いのです。

僕は今年の2月に風邪にかかりました。
普段風邪をあまりひくことはなく、「風邪のひき始めかな?」と思ったら、薬を使わず、水、睡眠、サプリメント、アロマテラピーで対処して、2、3日ですぐに回復させます。
でもこの時ばかりは違いました。
回復するどころか、間接の節々が痛くて身体が日に日にだるくなっていく……。

そのだるい感じが2週間ほど続きました。
その期間も仕事はしていましたが、ほとんど形だけ……。仕事が頭に入ってこないし、集中力が続かない。結局後でインフルエンザだったと分かりました。
このとき強烈に感じたのは、「病気の時は、仕事ができていない!」ということです。
病気になっている時は思考能力が落ち、身体がだるいからフットワークも落ちるのです。

同じように感じている人は、きっと多いのではないでしょうか?
頭が痛い時、お腹が痛い時、鼻水が止まらない時……体調が悪い時のことを思い出してください。
こういう時、仕事に集中できていますか? なんともない時と比べると、絶対に仕事に集中できていないはずです。
つまり、病気や体調の優れない時は、仕事の効率は落ちるのです。

そして、こういう不健康な人が会社に多いと、本来生み出せるはずの収益が生み出せていないことになり、会社としては目に見えない損失を被っていることになります。
このように、不定愁訴や病気を抱えて仕事の効率が下がることにより、失った生産性のロスを、「見えざるコスト」と呼んだりします。

アメリカでは、この「見えざるコスト」の年間の経済損失がなんと1,500億ドル(約12兆円)とも試算されています。
2010年度のアメリカのGDPは約13兆ドル。
アメリカのGDP比で1.1%近いことになりますから、この1,500億ドルという数字はバカになりません。

また、日本の例であげると、世界各国の中で日本人は睡眠にトラブルを抱えている人がとても多い国ですが、不眠による経済損失は年間で3兆4,700億円にのぼると試算されています。
不眠だけで、です。
日本のGDPは約500兆円ですから、不眠だけで0.7%近い損失です。

何を言いたいか、もうお分かりだと思いますが、不健康であればあるほど、生産性は落ちる。
つまり、「不健康→経済力の低下」
逆に健康である人は、フットワークも軽いし、頭も冴えて生産性が向上する。
つまり、「健康→経済力の上昇」
となるわけです。

僕が提案するウェルネスライフスタイルとは、
“心身ともに健やかに、社会的交流も豊かで、経済的に自立していて、人間らしい文化的な営みができ、それらすべてがいいスパイラルとなるライフスタイル”
とお伝えしましたが、健康と経済はスパイラルです。

「健康に意識し始める→経済力が上がる→より健康に投資できる→ますます経済力が上がる→・・・」
「太り始めて不定愁訴が増える→経済力が下がる→健康に投資できない→ますます経済力が下がる→・・・」

というように、健康と経済はプラスにもマイナスにもスパイラルをつくっていきます
つまり「経済格差=健康格差」になるのです。

「今よりもっとお金を欲しい!」と思っている人は多いのではないでしょうか?
それならば、僕から素晴らしい提案があります。
まずはあなたの時間とお金を、健康に投資してみてはいかがでしょうか?

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