ヨガやマッサージだけじゃない! アーユルヴェーダ5000年の奥義 PART.11

前回の記事で、ヴェーダは紀元前1200年頃から古代インドで編纂されたとされる、インド最古の文献であることをご紹介しました。
ヴェーダという言葉は「知識一般」を指し、後に古代インドにおける宗教的知識が集成された聖典そのものの名称とされ、ヴェーダには以下の4種類があり、4種類があり、それぞれに本集(サンヒター)・祭儀書(ブラーフマナ)・森林書(アーラニヤカ)・奥義書(ウパニシャッド)の4つの部門で構成されています。

▼4つのヴェーダ
「リグ・ヴェーダ」
「サーマ・ヴェーダ」
「ヤジュル・ヴェーダ」
「アタルヴァ・ヴェーダ」

(詳しくはこちらの記事をご覧ください)

今回は、アーユル・ヴェーダライフさんから「アタルヴァ・ヴェーダ」についてのお話をお伺いしました。

——————————————————-

「アタルヴァ・ヴェーダ」は主に吉祥増益と呪詛調伏の呪文が集められたもので、文献としては紀元前1000年頃に成立したといわれています。

祭式全般を司るブラフマン祭官に護持され、主に呪文が書かれていることが強調されているため、密教の元となった書物ともいわれています。アタルヴァ・ヴェーダは、最初はヴェーダ聖典には含まれませんでしたが、後に第4のヴェーダとして徐々に認められるようになりました。

アタルヴァ・ヴェーダには医学に関する記述も多く、古代インドの医学書であるだけでなく世界最古の医学書ともいわれており、古代ギリシア・中国の医学にも影響を与えたと考えられています。 アーユルヴェーダは、アタルヴァ・ヴェーダのウパヴェーダ(副ヴェーダ)であり、医学に関する記述が抜き出されたものとされています。

またアタルヴァ・ヴェーダにおいては、それまでに説かれていた世界観において、様々な最高原理・ブラフマン、個人主体のアートマン等の一切を同一視する思想が見られ、後のウパニシャッド聖典において確立される「梵我一如(梵=ブラフマン:宇宙の原理と我=アートマン:個人の原理が同一であること)」の思想のさきがけとなったといわれています。

ヴェーダにおける讃歌や詩節はサンスクリット語によって書かれ、インドの伝統的な祭儀や宗教儀式の際に詠唱され、日常的に歌われてきました。 こうしたヴェーダの伝統は、2009年にユネスコの世界無形遺産に登録されています」

出典:アーユルヴェーダライフ

★バックナンバーはこちら