鍼灸の技術「耳ツボ療法」 PART.1

皆さん、こんにちは。美容鍼灸師の折橋梢恵です。
9月に入りましたが、まだまだ残暑は続くようですね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?最近の夏の暑さは、厳しく、「夏は苦手」という方も多いようです。
しかし、日が暮れると虫たちの鳴き声がセミからスズムシへと変わっているのに気がつきます。その鳴き声を聞いて、ふともうすぐ夏が終わってしまうのだな~と思うと少し寂しい気がするのは、私だけでしょうか……。

前回まで3回に渡り、美容を目的とした鍼灸、「美容鍼灸」についてお話をさせて頂きました。
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今回は、私のサロンでも美容と健康のサポートとして取り入れている中医学の理論を元にした「耳ツボ療法」についてお話をさせて頂きたいと思います。

さて、皆さんは、耳ツボ療法というと何を思い浮かべられますか?
「耳ツボダイエット」という言葉があるように、「耳ツボ」というとまず、「ダイエット」に効果があるものという認識を持たれる方は少なくないはずです。

確かに耳ツボへの刺激は、ホルモン系や自律神経系などの働きを調節し、新陳代謝を活発にすることによって、痩せやすい身体づくりにつながると考えられています。

また耳には、食欲を抑えるツボがあり、そのツボを刺激することによって食欲が低下し、痩せやすい身体づくりのサポートができるというわけです。しかし耳つぼへの刺激はダイエット以外にも様々な効果を期待することができます。

元々耳ツボ療法の考え方は、中国の古典から紐解くことができます。
今から約2000年前の中国の書物の中には、耳と全身の密接なつながりについての記載があります。

そしてその後、様々な研究が進められ、耳に手や足、内臓器官など人間の身体を大まかに配置させた「耳の胎児投影説」が唱えられ、耳の刺激点について考案されました。

耳ツボ療法は、近年一般の方々の間でも注目を集めるようになりましたが、鍼灸の技術の一部である耳針療法の理論が多く取り入れられているようです。

耳には、私たちの身体の状態や症状などが現れると考えられ、それらの部位に現れた反応点に刺激を加えることで体調を整えたり、様々な効果を期待することができます。

また耳ツボの特徴としては、身体の不調が早い段階で耳にあるツボ(反応帯・反応点)に現れるため、病気の早期発見や予防に役立てられると考えられています。
そして、これらの理論を元に誰でも気軽に耳ツボの効果を求めることができるように応用したものが金属などをシールにつけ、耳に添付する耳ツボ刺激法です。

それでは、次回は、この耳ツボ刺激法について詳しくお話をしていきたいと思います。