まっかな秋
日本では秋と言えば何色でしょうか。私は秋と言えば赤を連想します。
子供の頃から慣れ親しんできた『まっかな秋』という歌がありますが、実に素晴らしい色彩表現だと思います。
今どきの解釈で解釈すると、赤と言えば何となくパワフルなイメージがあるかもしれません。
しかし、おもしろいことに日本の秋を連想させる赤に激しさはあまり感じられません。
どちらかというと情緒をちょっぴり切なく感じさせるような感じですね。
色彩の解釈は国や個人によって若干違いますが、私は日本の秋の色彩感覚がとても大好きです。
夏の暑さも過ぎ去り、冬に向かって動物も植物も変化してきます。
紅葉をひとつ見ても、不思議と激しさはありません。
しかし、神様のいたずらなのかどうかはわかりませんが、私はこの赤に必然を感じるのです。
秋は、気温も徐々に下がってきて涼しくなってきます。
気分的に切なくなったり、ウツっぽくなる人も増えてきます。
少し古いコトバですが「ブルー」な気分になってもおかしくない季節です。
もしかしたら、赤は、そんな私たちに元気を与えてくれるために秋を真っ赤に染めてくれているのかもしれないなんて考えると、なんだかロマンチックな気持ちになりませんか?
ロマンチックと言えば、芸術。
芸術と言えば秋。
秋は、冬に向けてエネルギーを蓄える季節です。
休日には、たまに美術館などに足を運んで芸術鑑賞しながら色彩のパワーをたくさん取りこんで見るのもまた一興かもしれません。