食を“断っ”て、命を見つめ直す高野山真言宗阿闍梨による「日常断食」開催

「人生をよりよく生きる」をコンセプトに、大量生産・大量消費の時代にあって“いのちのつながり・尊厳”をもう一度大切にするため、養生や魂の向上を目的としたさまざまなワークショップやセミナー、農園での農業体験などを行っている「水輪」。

TRINITY vol.44でインタビューをさせていただいた日本におけるホリスティック医療の大家・帯津良一先生も理事に名を連ね、養生塾などを開催しています。

リトリート施設にはじまり、平成23年には長野県より公益財団法人の認可を受け、いのちの森文化財団としての環境保全や社会教育活動、また魂レベルから診察していただける「いのちの森クリニック」も開院し、広く“いのち”を輝かせる活動を行っています。

そんな、公益財団法人いのちの森文化財団で、10月6日(土)~8日(月・祝)にわたり開催されるのが、高野山真言宗阿闍梨 宮島基行先生による日常断食。

断食と言えば、365日休みなく動いている内臓を休息させて身体に溜まった老廃物を排出、身体の自然治癒力、非健康的なライフスタイルで鈍った味覚を蘇らせてくれる効果が言われています。

動物も体調が悪い時には食事を口にせず、内臓を休養にあてて回復に努めます。定期的な断食、心と身体のリセットにとてもいいですね。けれど断食は、ただ食事を抜くという単純なものではありません。正しい教えの元で行わなければ、逆に心身に悪影響を促してしまうもの。

「日常断食」は、何日も完全に食を断つ厳しいものではなく、短期間で心身のリフレッシュが可能なクイック療法です。食を断つことで人が本来持っている力が働き出し、過剰な毒素を排出していきます。また、宮島基行先生は、高野山の阿闍梨として本格的な断食や修行を幾度も修められています。期間中は、単なるメソッドではなく宮島先生から、「断食の効果」や、「断食で心と身体がどのような状態になるか」の指導を受けることができ、有意義な時間を過ごせるはずです。

2泊3日の断食では、講義や座禅、デトックスを促進するための軽い運動などさまざまなカリキュラムをこなします。夏は冷たいものを食べ過ぎたり、冷房冷えがあったり、内臓に大きく負担をかける季節。本格的な実りの秋を迎える前に、一度体内のリセットをしてみてはいかがでしょうか。

<過去の参加者の感想>
●Kさん
全く新しい自分との出会いでした。宮島先生から初めに「断食はリセットではなくてニュートラルにすることです」と教えていただきました。初めはその意味がよく理解できていなかったように思います。「リセットもニュートラルも同じようなものだろうに」という程度でした。時間を重ね、講座が進むにつれ、重湯からはじまった食事の度にこれまでに味わったことのない、幸せと食味を味わう事が出来ました。正しく、今ニュートラルにあり、これから自分が進む方向は、自分で決める事が出来る。これまで、惰性で流れていた生活をはじめて自分で方向づけることが出来る。自己に対する責任の重さも感じますが、新たな展開の予感に、期待の方がはるかに大きく楽しみです。断食でお世話になったお陰で、こちらのオーガニックの食材、お料理の素晴らしさを再認識させていただきました。又、皆様の心のこもったおもてなし、空気、緑、環境の素晴らしさを再認識させていただきました。

●Fさん
今回、今までに無い内容の濃いものがありました。断食後の食事の美味しさは、本当に生きている・・・との実感を強く感じ、又、身にしみ渡るのが、すごく良く解ります。改めて食の大切さを思わずには、いられません。又、皆様の感じ良さ、接待の良さ、毎度の事ですが感謝いたしております。

●Sさん
仏教に関わる知識が乏しかったので大変勉強になりました。断食で学んだように今後は食物の質量とともに自分の感覚を鋭敏にして選んで食べていきたいし、今回の講座を受けてそれが出来そうな気もしています。食べられるという事は本来とても幸せな事なので「美味しい!」という喜びを食べる都度、実感できるような食べ方が出来るようになりたいです。宮島先生のお話は為になる事がたくさんありましたが、特に森についてのお話が心に残りました。混植しなければいい結果は出ない……これって人も同じですね。スタッフの皆様には素敵な笑顔とお心配り、清潔な館内、美味しいお食事。いつも本当に感謝しています。また機会を見つけて参りたいと思います。

<開催概要>
2012年10月6日(土)~8日(月・祝)
料金:会員30,000円  一般33,000円
会場:長野県飯綱高原 心と体といのちのセンター「水輪(すいりん)」
詳しくはコチラからhttp://inochinomori.or.jp/?page_id=292


<講師プロフィール>

宮島基行 師
高野山真言宗阿闍梨。子供の頃から宗教的世界に興味を示し、中学時代に真言宗真成院の織田隆弘師の元に通う。高校に進学後は、沖正弘氏などのヨガを修練、また、クリシュナムルティの文献読破により初めて神秘体験を得る。
将来の方向性を自由な探求者に定め、高野山大学に進む。教義を学ぶ一方で、高野山高室院の斎藤興隆老師に付いて行住坐臥密教の基礎的な行の習得に専心する。
また、人間国宝中川善教師に師事し南山進流声明の伝統を受け継ぐ。更に、天台宗やチベット仏教諸宗派の数々の灌頂を受ける。またチベット、中国仏教を修めるため、毎年台湾やカリフォルニアの寺院、道場を訪れている。ヒンズー教にも造詣が深い。
現在は求道者としてさまざまな体験、修行を重ねつつ、一般向けの密教の手ほどきや、僧侶に対しての声明、修行法の伝授など、指導者としても日本各地を歩いている。
また、アマゾン地区に、土着民と宗教そして伝承音楽の関係を研究。父親がクラリネット奏者であったことにも影響されてか、将来は声明のみならず「音」の世界を探求し、歌唱という方法で自己探求をしていきたいとの夢を持っている。