魂案内人・望月彩楓の鑑定レポート~88歳で人生の新たな喜びを知った老婦人の話

こんにちは。魂に寄り添う魂案内人の望月彩楓です。
今回は私が鑑定を始めてから三年ほど経った頃に体験した、忘れられない出来事をご紹介いたします。

当時はお店を構えずに料亭や喫茶店などで対面鑑定を専門にさせて頂いておりました。男性のお客様の紹介で、とあるすき焼き店にて初めてのお客様に会いました。私が先に予約の個室で待っていると現れたのは上品な老婦人でした。

「えっ!? まさかこの方を私が鑑定するの?」
知人の女性ということと、お名前しか伺ってなかったので、正直言って、面食らいました。
もちろん、年齢は関係ないです。関係ないんですけど、私がこの方に何をアドバイス差し上げられるのか。逆に相談したいくらいに、後光がさしているような貫禄で。

「私のような若輩でいいのでしょうか?」と尋ねると、
「いいのよ。私より年上の人に相談しようと思ったらあの世に行かないとね」
こんな冗談を言って笑わせてくださったのでした。

さて、この方の相談事はというと、「ボディーボードと海釣り、どちらをやるべきかしら」というものでした。
いやー驚きました。88歳のご婦人が、藪から棒に何を仰るんだろうかと。

事情をお伺いすると、ひ孫の趣味がボディーボードと海釣りらしく、さすがに両方は難しけれど、どちらかに一緒に行けるようにしたいと。
ひ孫にそのことを伝えたら、危ないからと断られたので、どちらかを練習して出来るようになって驚かせたいと。

それならば、ということで、霊視の結果、海釣りをおすすめいたしました。体力は50代並に有るようなエネルギーを感じましたが、肩のエネルギーが少々弱くていらっしゃるので、ボディーボードは危険だと思いました。
海釣りならば、賢い方ですから魚の種類を覚えたり釣り方のコツなどもすぐ覚えられるでしょうし、さすがにカツオの一本釣りでもしない限り、力が必要な場合、他の方に手伝ってもらえばいいですし。
また、お料理が得意な方のように視えてきましたので、釣った魚を料理してひ孫さんと食べられたら素敵だなと思ったからです。

結局、それから数ヶ月の間にまずは知人のツテで海釣りに同行し釣りや魚のことを沢山勉強して知識を付けられたそうです。船上での寒さも大変だったそうで、本を読んだりメモを取ることや、釣り道具の手入れだけでも年寄りには本当に大変なことだった、と仰っていました。

結果、ひ孫さんを連れ出して早朝から船を出し、ご家族も含めて、海釣りに行くことが実現し、見事鯛を吊り上げ船上でさばいてお刺身パーティーとなったようです。
ひ孫さんも、釣りや魚の知識が自分より有るくらいだと驚かれたようです。

後日、その方は目に涙を浮かべながら、本当に楽しそうにその時のことを話して下さいました。二時間ほどの会食だったと思いますがあっという間でした。
そして、こんなことを笑顔で仰っていました。

「もしも、何かに挑戦したくても年だからと迷っているお客さんがいたらね、私の話を聞かせてあげてちょうだい。こんなおばあちゃんでも新しいことに挑戦したんですよって。少なくとも、私より年をとってから悩んで頂戴ってね。それとね、霊視する方に相談したのも生まれて初めてよ(笑)88年間生きてきて、初めてのことを2つも経験できて嬉しいわねぇ」と。

そして、この方、ちょうどこの一年後に亡くなったのです。89歳で亡くなる一年前に、知らなかった魚のこと、釣りのこと一生懸命勉強して新しいことにチャレンジなさったなんて素敵ですよね。
あの後も何度かひ孫さんと海釣りに出かけられたようです。

このお話は、なるべく多くの人に知っていただきたいと思いました。年だからとか色々な理由で、新しいことをするのに躊躇してしまう時にはどうか、思い出してみてください。
88歳で新しいことにチャレンジし、実現させたこの方のことを。

※通常、お客様の了解がない限りは鑑定内容を公にすることはありません。私があの世まで持って帰りますからご安心下さい。