幸福の国のブータン便り・第八稿「け」~「結婚」編

去年、ブータン国王様がご結婚され、「イケメン国王がついに!」というしあわせな雰囲気に包まれたブータン。
「ブータンの結婚って?」

ブータンは一夫多妻、一妻多夫の国。いま現在のパートナーが「承認」すれば、ひとりの男性が数人の女性を、一人の女性が数人の男性と結婚することが可能です。これは法的にももちろん認められています。
そんなことがあると、もめごとも多いのでは?
もちろんそういったこともあるとは思いますが、例えば、ブータンが小国であり、経済的に支え合わなければ生活をしていけないといった場合、男性は経済力があればある一家の姉妹全員と結婚したりします。
経済的な事情ではないにしろ、前国王様は5人姉妹の未婚の4人姉妹と結婚されました。一家の姉妹、兄弟と結婚するのはブータンではよくあることです。


結婚式で踊りを披露する花嫁さん。結婚式用の豪華なキラで

また、ブータンは小国なので、その「家族」から財産をほかの家に分配しないようにするために、姉妹や兄弟全員と結婚したりします。ひとつの家がひとつの家と結婚すれば、兄弟姉妹が何人いようが、その両家以外に財産が分与される幅が少ないといった、ブータンの知恵です。
また、お兄さんがある家のお姉さんと、弟はお姉さんと同じ家の妹と結婚することもあります。

私の世代のお友達と話していると、「○○のお父さんってさ~」などといった家族の話になることがあります。あるとき、「えっ、どのお父さん?」と返事が返ってきて、驚いたことがありました。それは、「お父さん、3人いるからね~」って感じです。

あるとき、そのお友達に質問しました。
「お父さんが3人いるって、自分のお父さんが誰だかわからないんだよね。そういうのってどんな感じなの?」
「そうだね、生まれた時からお父さんは3人いるから、ただ単にお父さんが3人ってことだけだよ」
ちょっと、複雑だな~と思いきや、ブータンではこんな会話が日常茶飯事でした。

でも、気を付けないといけないのは、特に日本人女性はブータン人より色白(カカ)で、ブータン人に似ていることもあって、またブータン人が恋愛にはかなりラテン気質なところもあって(イメージのように奥手ではありません。笑)、なんと既婚者なのに付き合いを求めたり、求婚してくることもあります。

「付き合おうよ~」、「奥様がいるよね?」といっても、「いいじゃん、だって奥さんは小さな頃から二人欲しいなって思ってたし、今の奥さんも反対はしないよ~」と。

それがオープンになっているところが、ブータンです!


結婚パーティに出席するブータンの女性たち。日本人と同じでしょう?