セドナから愛をこめて「アイル・グラハムの光日記」 第5回

ホーリークロス教会。ここはセドナの観光スポットとしても人気がある。

クリスマスシーズンには、たくさんのポインセチアと素焼きのクリスマスドールが祭壇に並べられ、厳かでありながらとてもアートな空間が広がった。この教会は53年前に建てられたが、その斬新なデザインは今日でさえも新鮮に感じさせる。この教会をデザインしたマーガレットは、1932年ニューヨークで、エンパイヤー・ステート・ビルの建設完成を見ているときにこの教会のビジョンを得た。そして24年後の1956年に実現させた。当時あまりにも奇抜すぎたこのデザインは建築家とカソリック教会にはなかなか受け入れてもらえなかった。ましてや第二次世界大戦も勃発している。それでもめげずに自分の夢に向かって信念を持ち続けた彼女にようやく助人があらわれた。建築家のロイド・ライト(フランク・ロイド・ライトの息子)だ。そしてようやく彼と一緒に建築完成へとこぎつけることができた。こうして自分の天命を信じて全うした彼女のポジティブなエネルギーは、この教会に、宇宙の大きな源へと誰もが繋がりやすくなるパイプを天へとつなげたようだ。この教会の中に静かに座っていると宗教というものをはるかに超えた大きなエネルギーに包まれるのを感じる。そして自分の内なる部分とすぐに一体となれる。とても心地が良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

教会の入り口側も壁ではなく一面ガラスとなっている。

 

教会の真向かいにある赤い岩がガラスに反射して、そこに窓枠の十字架が映し出される。まるで赤い岩の中に十字架がはめ込まれているかのよう……。教会に向かって立って左手側にはマドンナロックがある。マリア様が赤ちゃんのキリストを抱いていると言われているとても慈愛に満ちた岩だ。その右側には、修道女ロックという岩が二つ大きくそびえていて、マドンナロックを見守っている。教会とともに、このマドンナロックの写真はポストカードに良く使われる。またマドンナロックの上には不思議な光が写りやすいのも事実だ。

 

右手側には、イーグルロックがある。

よくできたイーグル。自然がつくりあげた傑作。時間によっては光の具合でイーグルがアヒルに見えたりするときもあるがそれもなんだか愛きょうがあってかわいい。

教会の中では赤い蝋燭が神秘的な光を出してゆらめいている。

 

 

 

祈りをささげたい人は、十字架の形に型抜きしたところに1ドルを献金して、キャンドルに火をともすことができる。教会の地下はギフトショップになっていて、常時たくさんの天使やマリア様グッズが置かれている。サボテンを使った十字架や赤土を焼いてつくった天使など、他の店ではなかなか見られないものばかりなので見ているだけでも楽しい。お勧めなのが1ドルのメダル。いろいろな聖者や天使が彫られている。お守りとして首から下げたり携帯電話に着けたりお財布の中に入れたり……と、とても人気がある。特に人気なのが、大天使ミカエル。地下のギフトショップに降りる階段のところにも大天使ミカエルの彫刻が置かれている。とても勇ましくそして美しい顔をしている。この教会ではいつも素敵なCDが流れていて、そのCDも購入することができる。

教会の椅子に座り、十字架の形をした窓から入り込む光に全身をゆだねて、静かに目を閉じ、手を胸の前で合わせてみる。「統合……」内なる声がそうささやきかけてきた。マインドと心と身体が静かにひとつになった。そして自分とまわりもひとつになった……。教会の外に出た。視野が広がっているのに気がつく……。ひとつひとつの色が鮮明になっている。行き交う人と自分との間にやさしい空気が流れている。ハートから笑顔がこぼれる。ぜひ、新年のこのとき、ホーリークロス教会で幸せな統合を味わい素敵なスタートをきってみてはいかがですか……?

 

☆いつもありがとうございます☆

 

 

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