セドナから愛をこめて「アイル・グラハムの光日記」 第3回

今回は、セドナの歯医者さん事情。

虫歯の治療に歯医者さんに行った。いつものように麻酔を打ち、マヒしてくるまでしばらく待った……。だがいっこうに効いてこない。もう一本打った。ちっとも効かない。結局1時間で4本打った。

それでもまったく効かなかった。実は私はその1か月前に夫を亡くしたばかりであった。表面上は明るく元気にしていたが神経はかなり緊張し、ストレスを受けていたようだった。

歯医者さんのマリッツァは、

「アイル……どうやら今日は、治療に向いていないようだわ」と言って、治療道具をすみやかに横に下げ、私が座っていた椅子を完全にフラットにしてベッドにした。そして私の頭の上の方に移動して両手で頭を挟みヒーリングし始めた。彼女がヒーリングもするとはびっくり。

さすがセドナの歯医者さん……。

 

彼女とは普段から治療中に宇宙の話や、マヤンカレンダーの話や地球のアセンションなどの話をしていた。話をするというよりも私は口を開けて治療を受けているのでもっぱらフガフガと相槌を打つばかりだが。毎回彼女の深い英知にはびっくりさせられていた。ヒーリングが進むにつれて、マリッツァの母性愛と慈愛たっぷりのやさしいエネルギーが私の全身を包み込んだ。私のハートの花びらが1枚1枚潤いをもって開いていくのを感じた。涙がとめどなく流れた。この日まで泣こうとしてもなかなか泣けなかったのに……。彼女はそのままヒーリングをし続けた。

 

私の感情が落ち着いてきた時、そっとそばを離れブラインドを閉め治療室を暗くして、助手の女性二人と一緒に部屋から出て行った。「今日のあなたには歯の治療よりも休養が必要よ……」と言い残して。 私の頭のなかでは、「次の患者さんが待っているだろうに……。治療室を占領して申し訳ないな、早くおき上がらなくちゃ」という遠慮混じりの気持ちがわいてきたがこうしてこの場を与えたくださった彼女に感謝をして、時間を与えられたことに自分自身を許してしばらくそのまま静かに横になった。ものすごく癒された。歯医者さんでこんなに癒されて良いのだろうか……というくらいに。

 

しばらくしてマリッツァが静かに戻ってきて、ベッドから起き上がるのを手伝ってくれた。その後受付に行ってお会計をしようとしたら、「今日はいらない」と首を振る。 そういうわけにはいかない。4本も麻酔を打ち、合計で2時間以上もそこにいたのだから……。彼女は「今日は何もしていないもの。もらえないわっ!」と言う。 ありがたくそのギフトをいただくことにした。 歯医者さんのドアを開けて空を見上げた時、ハートにいっぱい新鮮な空気と光が入ってくるのを感じた。どこの国にいても、人のハートの温かさは同じだ。人間って素敵だな。あらためて、私もハートから人と接して、与える時は温かく自然に……そしていただく時はそのままありがたく頂いていこうって思った。 セドナの大自然と私たちとの関わりも同じだと思った。ハイキングをしていてゴミが落ちていたら、そのまま自然に拾う。大地からたくさんのエネルギーをいただいたら頭で考えずにハートで感じて全身で受け取りたっぷりと味わう。次に自分が大自然にどういうことが与えられるのかが見えてくる。鉱物や植物との関係においても同じである。ハートとハートで関わっていけば素敵な光の調和ができてくる。みんなひとつに繋がっていく。

 

 

さあっ! 今日も空を見上げて光と空気をいっぱい全身に取り入れていきましょう! すべてに感謝です。ありがとうございます。

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