金環日食、ヴィーナストランジット…。松村潔氏が語るこれからの時代

金星は、私たち人間と地球にとっては宇宙の案内役
5/21に金環日食、6/6にはヴィーナストランジット(金星の日面通過)など、大きな天体現象が続く2012年。この天体イベントの意味? 私たちの未来の行方は? 占星術家・精神世界研究家として活躍する松村潔さんにお話を聞きました。

 

―金環日食を機にモノから精神の時代へのシフトが加速します―

スピリチュアルへの興味がより高まっていくと思います。日食は月が太陽のパワーを一度吸い取るという現象。月の満ち欠けが女性に影響を与えているように、天体のなかで私たち人間と繋がっているのが月なんです。

太陽が創造力だとすれば、月がその創造力を吸い取り熟成させて、半年から2~3年という時間をかけて、小出しに落としていきます。ですから、すぐに変化が起きるというよりは、この金環日食をきっかけに影響を少しずつ受けていく。

サビアン占星術でみると、今回の金環日食がはじまるのはふたご座の1度。そのシンボルは、「海の底を覗く」。いろいろなものに興味を持つという意味です。

さらに今年は、海王星が100何十年ぶりに、うお座に入りました。海王星は、「スピリチュアル」や「夢」、「無意識」を象徴します。海王星というのは、うお座を支配する星であり、うお座の象徴を強めます。

まとめると、「スピリチュアルや夢、無意識といった世界を、興味を持っていろいろ覗き歩く」というエネルギーが降り注ぎます。

 

 

―金星は、私たち人間と地球にとっては宇宙の案内役―

ヴィーナストランジット(金星の日面通過)は、太陽と金星、地球が一直線に並ぶ現象。この日、一気に金星の影響が流れ込んできます。

実は、産業革命など、時代の大きな変革となる出来事はこのヴィーナストランジットをきっかに起きているという学者もおり、私自身もこのヴィーナストランジットが今年最大の影響を放つ天体現象となると考えています。

金星が、占星術で象徴するのは、愛や芸術、女性。けれど、今回のヴィーナストランジットは、サウスノード(別名「ドラゴンテイル」。月と太陽の軌道の交点)で起こります。サウスノードは“古いモノを刺激する”というエネルギーを持ち、つまり占星術の概念が確立されるより以前、古代から考えられてきた金星の意味が色濃く反映されるでしょう。

それは「太陽へと私たちを誘う、案内役」としての働きです。

ブッタが金星を見て悟りを開いたという謂れがあったり、マヤの時代にも「ケツァルコアトル」という神様が宿る星として崇められてきました。

実は太陽系のなかでもっとも開かれていて、創造するパワーを持つ太陽。この太陽のエネルギーは、金星を通して地球に入ってきています。金星は、位置的にも地球に近いですから、このような役目があるとされていて、

今回のヴィーナストランジットでは、モノに支配されている人間たちが、もう一つ階段を上がり、太陽のような開かれた方向へと移っていくきっかけになっていきます。

 

―経済が不安定な状況が続いています。お金のエネルギーは変化しますか?―

全体的に非物質の方向へと意識が向いていくなかで、経済的にもパッとしない状態が続くでしょう。けれどそれは、ある意味自然の流れなんです。実は、金環日食のホロスコープを見ると、お金自体のパワーというのは弱まっていません。

一見、相反するようですが、これまでの物質社会での“お金のため”というパワーよりも、精神的・非物質的な価値観を受け入れ、モノやお金を精神的な豊かさのために使おうといったムード。

お金は、四元素で言うと土の精霊。活かさないと動いてくれません。

スピリチュアルを探求する、意識と向き合うといったものへの投資が、今のエネルギーとリンクします。これまで、超物質主義だった人も、シフトしてくるでしょう。

 

Part.2では、これからの時代を生き抜くために必要な“地球のリズムを感じる”ために、私たちが必要なことをお届けします!

 

【Profile】

松村潔

精神世界研究家・占星術家

占星術、タロットカード、精神世界に関する研究家。「サビアン占星術」を日本に広めた一人で、講座なども開催する。「ムーン・ダイアリー2012」や「ヘリオセントリック占星術」など著書も多数。