5月はまさに植物の季節。道を歩けばあちらこちらに花々。えっー、花なんてないよ、という方は雑草に目を落としてみて。そのなかに可憐に咲いている小さな花がありませんか？　あれぇ？　これ花？という位小さな花や、意外と立派な花…。どの植物も活き活きと自分を出しています。

大木の影にそっと息づく植物。コンクリートの隙間から顔を出す逞しい雑草。足を少しだけ緩めて、その植物や花々を感じてみてください。そして、深呼吸をしてみて。花々の鋭気を少しだけ分けてもらいましょう。植物たちは「見て見て。キレイでしょ。そして、私から心の栄養を吸い取ってね」と惜しみなく言っています。何しろ植物は光合成なのですから、栄養をくれ！なんてケチなことは言いません。特に雑草は時に日陰、時には水にさえもなかなか恵まれず…。それを乗り越えて来たんです。

せっかくの休日も何にもすることがない、なんて嘆くあなたは植物と戯れる絶好のチャンス。もしできるならば道端に咲く花々に触れてみてください。ふと時間を忘れる位没頭すると、なんだか心に違う世界が感じられます。人間界や動物界とは違うような…。これって fairy？　くすぐったくなるような感覚。妖精はどこにでもいます。大人になると、それを忘れるだけ。小さなころ、すすきの野原で、シロツメクサの広場で妖精と遊んでいたでしょう？

パワースポットは今や普通の女性誌でも取り上げられる言葉。けれど、地球の息吹はどこでも感じられます。アスファルトを割って咲き出る花がパワーに溢れていなくて、何でしょう？　遠いパワースポットに行って人にまみれて疲れ果てなくてもいいのです。身近に、散歩の途中に地球のパワーは溢れています。種という安全な中から勇気を出して芽を出し太陽を浴びつつも、人に踏まれ、犬におしっこをかけられ、それでも花をつける植物。

特に今は雑草と類される植物が元気です。踏まれても蹴られても立ち上がる、そんなパワーを植物からいただいちゃいましょう。感じようとか語りかけようとか、何も考えなくともOK。その色や形、大きさ、風に揺れる姿を見ていると自然にハートに愛という名のエネルギーが満ちてきます。普段は裏方ともいうべき植物たちの艶やかな競演、見逃す手はないです。薔薇も蘭も美しいけれど、だからと言って比較できるものではありません。大切な方に、雑草の花だけでプチブーケを作りたい位。どれだけキュートでしょう！！　けれど、雑草の命を奪いたくないからしないけれど。

文責：遠藤明美