自然界のすべてに通じる古代中国思想 「陰陽論」PART.1

こんにちは。美容鍼灸師の折橋梢恵です。
先日まで小児鍼やスキンタッチに関するお話をさせて頂きました。今日からは中医学の理論の基本となる中国哲学の考え方についてご紹介していきたいと思います。中医学の理論の基本となるものの中には陰陽学説があります。

陰陽学説とは、自然界のあらゆるものすべてをこの陰と陽に分けることができ、その関係は、対立し合いながらもお互いに影響し合っているという考え方です。
例えば、陰には、女性、月、冷たい、暗い、静か、下降するものなどが該当し、陽には、男性、日、熱い、明るい、活動的、上昇するものなどが該当します。

陰陽学説は哲学から生まれたものですが、この考え方は中医学の領域にも深く浸透し、人間の体の働きやまた病気とも深く関係していると考えられています。そして、病気の診断や治療を導くものとして、中医学の基本的な考え方の一つになっているのです。
人体が健康であるためには、陰陽のバランスがとれていることが大切です。

例えば、夏場にエアコンなどで身体や手足が冷え、お腹を下すなどの症状が現れた場合、これは、陰である寒邪が強く身体に作用していることを現しています。このような状態に対して鍼灸では、お灸を使って身体を温める治療を行います。つまり、強くなっていた寒(陰の要素)を熱(陽の要素)の性質を持つお灸で抑えることによって陰陽のバランスを整えるように働きかけるのです。
このように中医学において陰陽学説とは、治療を行う際に基本となる考え方の一つといえます。

では参考までに陰陽の分類について一覧を下記にご紹介します。