自然界のすべてに通じる古代中国思想「五行論」PART.2

皆さん。こんにちは。美容鍼灸師の折橋梢恵です。

先日、五行論についてご紹介をしました。本日は五行論(五行説)の要素の中から、「木」に焦点を当ててお話をしていきたいと思います。
「木」とは、そのイメージ通り、自然界に存在する樹木の特徴を表わしているといえます。
この「木」の意味する性質を、中医学では「曲直(きょくちょく)」という言葉で表し、樹木の成長する様子、まさしく木々の幹や枝が上方や左右、四方八方に向かって自由に広がるように伸びていく姿を現しています。
この木々の性質、様子から「成長」、「上昇」、「発散」、「のびのびした姿」などの特徴や作用を持っているものをすべて「木」の分類に属するものとして考えています。

この「木」の性質に当てはまるものを、前回ご紹介した五行分類の中から、ご紹介したいと思います。五行分類で、「木」に該当するものは、季節(五季)としては春、方位(五方)では東、色(五色)では青、味(五味)では酸が当てはめられています。
五季のうち「春」の季節というのは、木々や花などの植物が、新たに芽吹く時期といえます。このことから春は、木の性質に分類されているのです。また五色では「青」があてはめられます。実は、この二つの漢字を組み合わせると、「青春」という言葉になります。まさにイメージ通りですね。
また人体を作っている器官や組織では、臓器(五臓)の肝、五感(五官または五根)の目、人体に存在する液体(五液)では涙が当てはめられています。鍼灸の施術でも目の疲れには肝経に関係のあるツボを使うことがあります。
このように五行論(五行説)の考え方は、自然界のあらゆるものから私たちの身体や身近なものすべてにおいて用いることができる考え方だといえます。

最後に一つ食生活に対するアドバイスです。
五行論で、肝に該当する五味は「酸味」とお伝えしました。薬膳で、酸味は、肝臓や、胆のうの働きを助ける作用があると考えられています。そのため目の疲れや肝臓などが弱っているときには酸味の食べ物を取るとよいでしょう。
皆さん、なんとなく五行論(五行説)の考え方は、理解して頂けたでしょうか?
様々なものを五つに分ける考え方を基に皆さんも身近なものを五つに分類してみても面白いかもしれませんね。
次回は、五行論(五行説)の五つの要素のうち、「火」についてお話をしたいと思います。