木を植えて、土に触れて心にも豊かな自然を育む宮脇式植林に参加してきました

北海道の田舎で育った私。春はたけのこを採りに山へ、秋はキノコを採りに山へ。祖父の家はぶどう農家で小さい頃から土と(時には肥料の牛のウンチとも……)生活を送っておりました。でも、これは初体験。それは“植樹”です。先だっての3連休最終日。世界的な植樹の権威、横浜国立大学名誉教授宮脇昭先生が横浜ゴムで植樹祭をなさるということで、TRINITY28号のオーガニックの監修をしていただいた池田明子さん(ソフィアフィトセラピーカレッジ学校長)からお誘いをいただき、編集長ともど参加させていただきました。

 

宮脇昭先生は、横浜国立大学の名誉教授で「いのちの森づくり」を合言葉に日本のみならず世界中の政府に招かれ植樹指導を続けられている方。その独特の方式は、“宮脇式”と言われ、ポイントはその土地本来に生息する木を植えること、そして多様な種類の木をごちゃ混ぜにすることです。こうすることで、台風などの自然災害の時でも倒れたりせず、火事を食い止める役割もしてくれる森ができあがるそう。1本植えれば木、2本植えれば林、3本植えれば森……と、私たちの命を守ってくれる本物の縁へと成長してくれるんですね。

今回の植樹祭では、シイ、タブ、カシ類を中心に全部で50種類以上の木を植えました。人数が多かったので、植樹は1時間ほどで終了。小さいスコップを片手に掘っては、苗木を植えていきます。正直、「朝早く起きて面倒くさいなぁ」なんて気持ちもあったのですが、植樹が始まるとこれが楽しい!あっという間に終わってしまい物足りないくらいでした。宮脇先生のお話は、緑の社会を人間社会になぞらえてお話をしてくれるのでとても面白いし興味深い!「社会というのは、皆が少しずつ我慢しあって“共生”していくことが大切。だから緑もたくさんの種類を植えるんです」「ホンモノというのは、厳しい条件に耐えて長持ちするもの。それができないものは消えてなくなるんです」「木も人も根っこが大切。根っこがしっかりしていれば、少々のことではビクともしない」「競争、共生、我慢は人間社会の掟。そして植物社会の掟です。同じなんです」 先生の講演の途中。無駄話が聞こえた先に声を向けて、「たった40分の話を黙って聞けないなら、消えてなくなってしまえと言いたいですね」と口調優しく、でも一喝するシーンも。木を植えながら学べる人生哲学。たくさんの大手企業や学校が先生を招待して植樹祭を行う理由がなんとなく分かったのです。地球が枯れれば、私たち人間は生きてはいけません。緑を植えるということは人間の命を育むということ。そして、緑が豊かになればなるほど私たちの心の緑も増えていくのかもしれませんね。

 

朝、現地に到着するとすでに宮脇先生(赤のジャンバーに麦わら帽子)と、横浜ゴムのスタッフの皆さんが植樹の準備をしていました 苗を優しく植えたら(写真右)、その上にワラを引いて、飛ばないように縄で抑えて完成(写真右)。どうやって成長していくのか楽しみです 受付で渡されたシューズカバー。普通は長靴じゃない人の靴が汚れないようにするものですが、編集長張り切って長靴にも着けちゃいました。「かわいい!」と、かなり気に入っております  今年81歳になったとは思えないほど若々しい宮脇先生。お肌もピカピカで、背筋もシャキッと伸びています。年末までお休みは一日もナシ!!「あと30年は木を植えていきたい。わたくしはまだ80歳の若後者ですから」と本気も本気で仰ぐその姿にはただただ、感服。植樹こそ、何よりの癒しと成長の機会になるのではと感じた一日でした