日本唯一のIAOH(国際ヒーリング協会)認定ヒーラーによるタロット鑑定体験談 PART.2

クライアントは顔を下に向けているので表情が詳しくはわからないが、声が険しい。構わず、私は続ける。

「男の子というものはある程度の年齢まではやんちゃをする子が多いですから……お母様は大変ですよね。息子さんは小学生ということですが、10歳くらいでしょうか」

「はい、今年10歳になります。4年生です」

そこで女性はきっと顔を上げた。私を睨むようにして見つめて、一気に話し始めた。

「あの子には本当に手を焼いています。ちっとも勉強しないんです。もっと小さい頃からずっとそうです。全く勉強をしないんです。その上、落ち着きが無い。机の前に10分も座っていられないんです。何を言ってもすぐに忘れるので、忘れ物も多いし、学校でも注意されてばかりいるようです。最近は私に向かってうるさいとか、馬鹿とか言うようにもなりました。成績も、テスト答案にうっかりミスが多く、ちっとも点が取れないので良くありません。もう4年生ですので、塾に行かせようと思っているのですが、これで塾に行けるのでしょうか」

どうも、話題がどこかで少しずつずれてしまっているようだ。とりあえず私は「はい、そうなんですか」と聞きながらリーディングに戻り、一気に話し始める。多分、これからのリーディングは少し複雑になりそうだ。今のスプレッドで読み取れることは一応、最初に伝えておいたほうが良さそうだ。

「さて、今の息子さんの状態ですが、学校では仲良しのお友達もいると思われますし、大きなトラブルは起こしていないようですね。一部の生徒さんには少し怖がられている様子でもありますが、それは息子さんがなかなか力が強いからでしょう。アクションも大きいので目立つのでしょうね。やや目立ちたい、という意識が強いようです。まあ、ちょっと損な性分ではありますが、優しいところも充分にありますので心配は無いでしょう。お母様に対しては、ちょっと今は苦手感を抱いているようですが」

ここで女性にさえぎられた。

「心配は無い、ですか?そんなことはありません。私は心配してばかりで疲れてしまいました。もうあの子の顔を見るのも嫌なくらいなんです。何しろ、全くじっとしていないんですから」

PART.3へ続く

PART.1