心理カウンセラーが説く
彼にハートが伝わる 恋愛コミュニケーション

Trinity vol.40の特集は「復活愛」。皆様ご覧になっていただけましたでしょうか? 彼との関係において、言葉のコミュニケーションは重要なポイントですよね。想いが伝わる言葉のコミュニケーション法を、心理カウンセラーの前田京子さんに、Q&Aで解説していただきました。

 

■人間の本質的な望み 「自己優位性」と恋愛の関係

「恋愛は、男女間の『自己優位性』の奪い合いです。自己優位性とは、相手よりも優位でいたいという人間の本質的な気持ち。多くの人が、自分で自分のことを大切にしていない割には、他人から大切にされたいと思っています。それが“電話をくれる、くれない”というケンカになったり、“自分を優位にしてくれない”という嫉妬心が生まれます。そんな恋愛を通して、自身の気持ちを整理するために必要なことをお伝えしますね」

Q1 彼に、自分の本当の想いが伝わっていない気がする時は?

A 恋愛をしているといろんな気持ちが出てきますよね。多いのが「自分がどうしたら良いのか分からない」「相手がどう思っているのか分からない」ということ。

たとえば、彼が飲み会や仕事や趣味で彼女を放ってしまう。彼女としては、「笑顔で送り出してあげるべきだよね」と余裕のあるところを見せたいけれど、「私を差し置いて!」という怒りもある。けれどそんなこと思っちゃいけないと、自分の気持ちを隠したり、ごまかしていると、どれが本当の自分か分からなくなってしまいます。隠していることがあると、隠すことが本当の自分に思ってしまうけれど、本当は、「笑顔で見送りたい」という気持ちも、「寂しい」「許せない」という思いも優劣がなく並列。まずは全ての気持ちを自分のなかで出しきって見つめることが大切です。

 

<Exercise>

彼に対してネガティブな感情を感じたら… ネガティブなことを感じた出来事や、彼に対して、どんな思いや考えが自分のなかにあるかを、紙に書いて全部書き出していく。

例)連絡をくれない彼に対して

「何で連絡くれない?」「許せない」「寂しい」「浮気してるのでは?」「私なんかどうでもいいの?」など、感情に優劣をつけず、あるがままの感情を全て書く。すると、自分がどうしたいのか、どういう気持ちが彼に一番分かって欲しかったのかが整理されていく。

Q2 彼にちゃんと話し合えずケンカしてしまった時には?

A たとえばケンカしてしまって彼との連絡が途絶えた時。仲直りするきっかけを求めて、女性は「この間のケンカのことなんだけど……」と、ケンカのことから入りたがるけれど、男性は、そこには触れてほしくない。まず、最初のきっかけのためなら、「こんな美味しいもの発見!」と関係ない話のメールを送ったほうが、彼も話に食いつきやすいかもしれません。その時に、何の話題なら彼が楽しく応じてくれるかは、今まで付き合ってきた彼の趣味趣向から引っ張り出すと良いでしょう。

Q3 彼にちゃんと気持ちを伝えるには?

A 彼に思いを伝えられない、彼が何を考えているか分からないと思うのは、相手を見ているようで見ていないから。その理由の一つは自分に注意が向き過ぎているというのがあります。自分はどう思われているのか、嫌われないように、と自分を良く見せることに一生懸命なわけです。けれども、自分自身がどう振る舞っても、相手は良くも悪くも色々なことを思いますよね。だったら自分はどう思っているかに集中したほうがいい。相手がどうであっても、自分らしくいられるのは恋愛の基本。男女間で壁になっているケースで多いのが、「こんなことを言ったら嫌われる」と思って言えないで留まっていることが多く、それがうまくいかない事態をつくってしまうのです。「こんなこと言ったら嫌われてしまうかも知れないんだけど、わかっても欲しいので伝えるね・・・。」または、「いいにくい話なんだけど・・・。聴いてほしい」と、思うまま言って、コミュニケーションの一つの壁を壊してみましょう。それによって、自分自身も、相手との関係も、次なるステップに行けるのです。恋愛によって自身の本質と向き合い より成熟した愛に近づける

「仕事だとペルソナ(※仮面、社会的な人格)を持っていないと働けないけれど、恋愛はペルソナを外した部分での関わりだから、素に近い自分の本質が出てきやすいのです。それは思っている以上に弱い自分だったりもします。けれども、人間の本質である、人は人を愛したいし、愛されたいところから純粋に関わり、相手を好きだと感じる気持ちは、成熟した人間心理の領域に近しい。自分よりも誰かのことを大事と思える心理は、親が子に持つ心理に近く、質は違うけれど、そのように思える成熟を得る機会は少ないもの。だから恋愛は尊いと思うのです」

 

前田京子

人材育成コンサルタント心理カウンセラー・心理テスト作家。「人・自分生き活き~命の発揮~」をテーマに、個人や企業を対象に心理学・心理療法・カウンセリング・コーチング・研修を行う。
前田京子カウンセリング事務所 http://www.caraway.jp/

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