南インドの家庭料理店に教わるヘルシー・スパイスの使い方 How to use the SPICE?

TRINITY vol.33 特集企画「シッダ医学」のなかで、南インドの美味しい薬膳レシピを提供していただいたのが、インド料理の老舗中の老舗店「アジャンタ」。編集部スタッフもランチのカレーにすっかりハマッています。そんなアジャンタさんに、本誌企画のレシピでもたくさん登場するスパイスについて伺いました。おウチでつくるカレーのほかにも、さまざまな料理に取り入れてみてはいかがでしょう?

加えるだけでアラ不思議 インド風味の一品の出来上がり!


インド料理に欠かせないスパイス。一つのメニューにはたくさんのスパイスのコラボによって、独特の味わいが生まれます。では、カレー以外の料理ではスパイスをどのように使ったら良いのでしょう?基本は炒め物。フライパンに油を引いたら、スパイスがパチパチはじけるまで炒めること。油にスパイスの風味が移り、野菜、卵、肉、米など、どんな素材にもスパイスの香りと効能がプラスされるのです。炒めた素材に水を加えて煮込み料理にしてもGOOD!それでは、誌面でも登場するスパイスの効能と、アジャンタさんに聞いた意外な使用方法も一緒にご紹介しましょう。買ってみたのはいいけれど、余ってしまってキッチンの棚に眠スパイスはありませんか?こんな有効活用法もあるのです!

 

●マスタードシート 日本では「からし」。スクランブルエッグをつくる際、最初にマスタードシードを炒めてから溶き卵を入れると、マスタードシードの香りが卵にプラスされていつもと違ったテイストになります。辛くはないそうです。

●コリアンダシード 葉の部分はアジア料理に欠かせない「香菜」。その種であるコリアンダシードは柑橘系の香り。甘みもあります。

●クミンシード 食欲と消化を促してくれます。フライパンでコリアンダシードと一緒に炒めてから、ご飯を投入してチャーハンをつくると、簡単にインド風チャーハンの出来上がり!

●ターメリック 「ウコン」として知られる黄色い粉で苦味があります。血行促進、消化を助ける働き。パウダーを溶いて肌に塗ると色白になるという使い方も。カレーに入れるほか、ライスと混ぜてターメリックライスとしてもOK。

●フェヌグリーク カレーならではのアノ香りの元。古くから滋養強壮、栄養補給、食欲増進として使用されます。
創業から50余年にこだわり続ける南インド現地のスパイシーな料理
アジャンタのルーツは南インドの家庭料理のレシピ。1957年の創業から50年以上経った今も、「故郷・南インドの純粋な料理を、日本のお客様に味わってほしい」というポリシーを貫いて、味付けは日本人向けのアレンジをしていないそうです。メニューで使われる数々のスパイスは、南インド産のものを中心に厳選。通常のインド料理レストランの使用量と比べると、1週間分の量をわずか1日で使い切ってしまうほど、豊富なスパイスがメニューに盛り込まれています。たくさんのスパイスがアジャンタの美味しさを支えているのです。創業者の一人ジャヤ・ムールティ氏のご夫人は、刺激と香りとコクのクオリティを保つためのこだわりをこう語ります。
「ムールティ家の味を通じて守り通しているのは、材料に合ったスパイスを選び抜いて使うことです。夫が私に教えてくれたのは“辛味・塩味・酸味。そして腕いっぱいの愛情”。これらをうまくミックスすること」本誌にも登場した「甘・辛・塩・酸・苦・渋」の6味はインド料理の真髄。美味しくてヘルシーを叶える薬膳レシピを、ぜひ試してみてくださいね。


取材協力 AJANTA アジャンタ 東京都千代田区二番町3番地11 TEL/03-3264-6955
営業時間/10:00~26:00(月~土)、10:00~24:00(日)年中無休 http://www.ajanta.com/