北米ヒーリング・ワークショップレポート② 「グルのオーラを持つヨガチャリニ・マイトレーイのヨガ・ワークショップ」

ヒーラーにいろいろなタイプがあるとすれば、マイトレーイは、”グルのオーラを持つヒーラー”とカテゴライズしたい。マイトレーイが行うワークショップ……誰にでも無理のないスタイルのヨガ、ヒーリング・ダンシング、インディアン・ヘッドマッサージ、リトリート瞑想。そのティーチングテクニックやプログラムに、他のヒーラー達が行っているワークショップに比べて特筆するべき点は少ない。しかし、一度でも彼女のワークショップに参加すると、誰もがたちまち彼女に魅了されてしまう。

インドで生まれた彼女は長年、アナンダ・アシュラムとシバナンダ・アシュラムでアシタンガ・ヨガを学び、グルのスワミ・ギタナンダから「人生のコーチ、ガイド」という意味を持つ“Yogacharin”という名前を与えられた。

その後、10年に渡り、幅広い人々……スリランカの仏教徒、スウェーデンの囚人達、バングラディッシュのイスラムグループ、インドの子供達等にヨガを教え続けている。

一般的には、インドでアシュラムを作っているグル(精神的指導者)のオーラの大きさは、周囲10メートルにも100メートルにも及ぶと言われ、そのオーラの範中に入っているだけで、病が癒されるとされる。

知られているように、オーラというのは、身体にある、エネルギ−が出入りする出入り口であるチャクラから発せられているヒューマン・エネルギ−・フィールドのことをさすが、身体の上部にあるアッパーチャクラからのエネルギ−ほど、その波動は細やかで、触れていると心地よく、その精妙な波動に触れているうちに、触れている側の体内の波動も共振共鳴して引き上げられ、波動が下がっている不調和な箇所も調和に導かれるために、改善されて、治癒という現象が起こる。

悲しみや怒りを持っているひとの近くにいると、そうした状態の時のオーラの波動は荒く大きな波なので、側にいると、自分の中に潜在していた同じ種類の悲しみや怒りが同じ波動として共鳴してしまうために、時に、心地悪さを感じることが起きる。

マイトレーイのワークショップに参加していると、胸の奥の重い感じや、関節の固さなど、心身両方の不調が、しだいに柔らぎ、穏やかな優しさに満ちてくる。均整のとれた柔らかい体躯の彼女の、つねに変わらない微笑みと、女性的な力強さに満ちたチャンティングの唄声、それらが総合的に、ある種の特別な空気感をかもしだし、包まれていく。

マイトレーイが教えるインド式ヘッド・マッサージは、アーユルベーダの叡智を基本にした、インドの各地方でいまも伝えられている家庭で行う頭部のマッサージで、何種類ものオイルを使って、頭頂部からスタートし、首,肩,背中と上半身をマッサージしていく手法。

寒い地方や時期には、セサミ・オイルなどの身体を温めるタイプのオイル、暑い地方や時期には、ココナッツ・オイルなどの身体を冷やす効果のあるタイプのオイルを、好きなアロマ・オイルと組み合わせて用いる。

このワークショップは、彼女が、小さい頃から毎夜、就寝前に、お祖母さんにしてもらった体験がもとになっている。ストレスの溜まりやすい頭部を、愛情をこめて、母親が娘に、妻が夫に、恋人同士が相互に行う癒しあい。素朴な癒しあいのなかでは、家族は自然に絆を深めていく。

こうした自然な癒し合いの感覚が幼い頃から身についているひとと、知らないひとの差は、大きいのかもしれない。

マイトレーイのワークショップでもっとも深く気づくのは、癒しは特別なことではなく、人の生活の中に組み込まれて不思議のない、自然な施しだということだ。

ひとりの女性が、小さな子供を持つ忙しい日常を離れて、バンクーバ−・アイランドで行われたマイトレーイの5日間のリトリート瞑想ワークショップに参加した。完全オーガニックのベジタリアンの食事、瞑想、チャンティング……3日目の夜、一日のプログラムを終えて、部屋に戻りベッドに横になった時、突然、胸の奥からとてつもない喜びがわきあがったと言う。その喜びは、大きな愛を運んで来た。ワークショップに参加しているひと達への愛、会ったことのない彼らの家族への愛、愛のエネルギ−はどんどん拡大し、世界中のひとびとへの愛にふくらんでいったと言う。そして途方もない大きさの至福の中で、自分がいま何をするべきなのか、何をしようとして生まれてきたのかに気づいたのだと言う。

癒しは慈しみから生まれる。人間同士の本当の慈しみを知っているヒーラーこそ、こうした真のヒーリングを可能にするのに違いない。

Yogacharini Maitreyi